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月収や年収を比較するとき「額面」を使うのはなぜでしょうか?「手取り」のほうが分かりやすくないですか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月27日 4時30分

月収や年収を比較するとき「額面」を使うのはなぜでしょうか?「手取り」のほうが分かりやすくないですか?

業種や会社別の収入を比較するときに「額面」の年収が使われることがあるでしょう。転職の際に面接官から年収を聞かれることもあり、額面で答えることが一般的です。しかし中には、実際に会社から振り込まれる「手取り」額を使ったほうが分かりやすいと考える方もいるようです。   そこで今回は、収入を比較するときに額面を使う理由について調べてみました。月給や年収の額面から手取りを計算する方法や給与明細の内訳についてもご紹介しますので参考にしてみてください。

「手取り」ではなく「額面」を使う理由として考えられること

収入は会社から毎月振り込まれるケースが一般的であるため、「額面」の年収ではなく「手取り」や「月収」で比較したほうが分かりやすいと考える方もいるでしょう。しかし額面を使う理由として以下の点が考えられます。
 

一貫性と標準化

額面の年収とは、税金や社会保険料が差し引かれる前の年間総支給額のことです。税金や社会保険料は扶養家族の有無などによって、交通費は住んでいる地域や通勤手段によって変わるため、手取りには個人差が出てしまいます。
 
額面の年収には、ボーナスやそのほかの一時的な収入も含まれていて、年収を使うことでこれらを含めた総合的な収入を把握できます。月収だけではこれらの変動要素を反映できないでしょう。額面の年収を使うことで、異なる職業や業界間での収入が比較しやすくなると考えられます。
 

税金や控除の計算

額面の年収は税金や社会保険料の計算の基礎となり、これを基に手取りを計算するのが一般的です。なお税法上では「収入」「所得」の用語が使われます。収入は給与所得の源泉徴収票の「支払金額」の欄に記載されている額のことで、年収総額を指します。所得とは、給与所得の源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」に記載されている額です。
 

月給や年収の額面から手取りを計算するには? 給与明細を理解しよう

一般的には、額面の75~85%が手取り額であるといわれています。例えば月収が24万円であれば、手取りは18万~20万4000円ほど、年収が400万円であれば手取りは300万~340万円が目安です。これはあくまでも大まかな計算で、実際には給与明細の内訳を確認するといいでしょう。
 
給与明細では、会社から支給される金額と控除される金額が分かれています。それぞれの内訳をまとめると以下の通りです。
 

【会社から支給されるお金】

・基本給:各種手当やインセンティブ(報奨金)を含まない基本となる金額
・時間外手当:残業代や深夜割増料金
・資格手当:会社が規定する資格保有者に支給される手当
・役職手当:管理職など役職者に支給される手当
・家族手当:配偶者や子どもなど、扶養家族のいる社員に一定額支給される手当
・住宅手当:住宅費を補助するために支給される手当
・通勤手当:交通費を補助するために支給される手当

 

【控除されるお金】

・健康保険料:健康保険に加入するためのお金で会社と社員が折半して負担
・介護保険料:40歳以上64歳以下の人が健康保険料に合わせて負担
・厚生年金保険:厚生年金に加入するためのお金で会社と社員が折半
・雇用保険:失業者の生活保障や雇用促進を目的とした公的保険
・所得税:一定額以上の所得のある人が納める税金
・住民税:1月1日時点で住んでいる都道府県・市区町村に支払う税金

 

額面の年収は一貫性と標準化で職業別の収入を比較しやすい! 税金や控除の計算でも基礎となる

収入の比較をする際に額面の年収が使われる理由には、一貫性と標準化により職業別の収入を比較しやすいことが挙げられます。また税金や控除の計算でも「収入」にあたる年収総額が基礎となります。
 
月収や年収の額面の75~85%が手取りの目安です。これはあくまでも目安で、実際には給与明細で会社から支給されるお金と控除されるお金を確認して、自身の年収や手取りを把握するといいでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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