最近ネットで「100円投資」を始めました。正直“メリット”を感じないのですが、やはり金額を増やすべきでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月27日 5時0分
大手のネット証券では、新規顧客獲得の手法として、100円程度の少額で投資ができる「ワンコイン投資」を打ち出している会社が増えています。 投資金額があまりに少額であると資産形成という面ではメリットがほぼなくなってしまいますが、このような投資商品は何のために存在するのでしょうか。
証券会社が少額投資を推す理由は?
ネット環境が発達する以前は、「投資」というと数十万円以上の資金を用意し、証券会社で株式などの購入手続きを行うことが必要であったため、多くの人にとっては縁が薄いものであったと言えるでしょう。
現在はデジタル技術の発展によって投資商品の売買に手間がかからなくなったこともあり、数百円~数千円の少額からでも投資が容易にできる状況が実現しています。そのため、「投資」に対するハードルは極めて低くなっていると言えます。
証券会社としては、常に新規顧客の開拓をして、投資商品の売買手数料などを稼いでいくことが会社の利益になりますので、少額投資を「入り口」として用意して投資未体験の人を誘致し、形の上だけでも投資と投資の効果を体験してもらうことを目的にしていると思われます。
例えば、代表的な株価指数であるS&P500に投資していれば、ここ2年間で資産額は約50%上昇しています。少額でも投資をしているのであれば「投資の効果」を感じている人は多いでしょう(図表1)。
図表1
Yahooファイナンス S&P500チャート
ただ、投資する金額が「月に100円」程度であると、相場の上昇で得られる利益もわずかなものですから、「もっと多い金額で投資をしていればよかった」という後悔が先に出てくるかもしれません。
また、少額投資を取り扱う証券会社や商品によっては株式の取引手数料が割高になっており、相場の上昇効果を打ち消してしまう場合も考えられます。実際に少額投資を行う場合は、手数料などの仕組みを事前によく調べておきましょう。
投資は、「いつまでにどれだけ」資産を増やす必要があるのかを考えてから
投資をした金融商品が順調に値上がりしていったとしても、投資したお金の額が少額すぎる場合は「資産形成」という意味での投資のメリットはほぼ無くなってしまいます。
投資をする目的が「将来の資産形成」であるのなら少額投資からは卒業し、リスクを背負ったうえで、まとまった金額の投資を行うべきでしょう。
その際、「いつまでにどれだけのお金が必要なのか」をよく考えてシミュレーションし、生活に無理のない範囲で、長期的につみたて投資をしていくことをおすすめします。購入する金融商品は、世界的に分散して投資できる投資信託などにすることが無難でしょう。
ただ、筆者としては、少額投資を初心者向けの投資の入り口として活用することは否定しません。投資をする側が「何のために投資をするのか」きちんと考えたうえで、本腰を入れた投資をする前に、投資についての感覚をつかむには非常に良い仕組みだと思うからです。
少額投資は資産形成のためでなく、資産形成をする前に投資の「お試し」をするつもりで向き合うのが良いのではないでしょうか。
まとめ
いわゆる「ワンコイン投資」のような少額投資は、資産形成という面ではほとんど意味がないものですが、シミュレーションや「お試し」としては優秀です。少額投資の「メリット」とは、「投資が未体験の人が、実際に本腰を入れた投資を始める前に、ローリスクでシミュレーションができること」につきると言えるでしょう。
少額投資は、実際に将来の資産形成を見越し、本腰を入れた投資をする前に感覚をつかんでいくために活用できます。投資初心者の人は「はじめの一歩」として、「ワンコイン投資」を体験してみることもよいでしょう。
出典
Yahooファイナンス S&P500チャート
執筆者:山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント
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