遺族年金から毎月「3万円」を振り込んでくれる祖母が心配です。月10万円のうち「3万円」ってかなり渡しすぎですよね?無理をさせていないか心配です
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月28日 4時20分
遺族年金とは、国民年金や厚生年金に加入していた人が亡くなった場合に、故人の配偶者や子どもが受け取れる年金です。 今回の記事では、遺族年金の一部を家族に振り込んでいる場合、高齢者が月7万円で生活ができるのかについて解説します。
遺族年金が受け取れる条件
まず、遺族年金の具体的な内容を確認してみましょう。遺族年金は、故人に関係している誰もがもらえるわけではないようです。遺族基礎年金、遺族厚生年金の受給対象者として「生計を維持されていた」遺族と定められています。
ここでの「生計を維持されていた」というのは以下の要件をいずれも満たす場合をいうようです。
・生計を同じくしていること(同居していること。別居していても、仕送りをしている、健康保険の扶養親族である等の事項があれば認められます。)
・収入要件を満たしていること(前年の収入が850万円未満であること。または所得が655万5000円未満であること。)
上記より、同居していなかったり、前年年収が850万円以上だったりする場合には、遺族年金を受け取ることができない可能性があるようです。
しかし、年収に関しては、定年退職や今後の年収が下がると判断された場合には対象となる可能性があるようなので、お近くの年金事務所などへ相談してみることをおすすめします。
65歳以上の単身高齢者にかかる生活費
次に、65歳以上の単身無職世帯の生活費について解説します。
総務省統計局が公表している「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、生活費などにかかる1ヶ月あたりの消費支出は平均で14万5430円、社会保険料などが含まれる非消費支出は1万2243円となっています。内訳は表1の通りです。
表1
項目 | 消費金額 |
---|---|
食料 | 4万103円 |
住居 | 1万2564円 |
光熱・水道 | 1万4436円 |
家具・家事用品 | 5923円 |
被服及び履物 | 3241円 |
保健医療 | 7981円 |
交通・通信 | 1万5086円 |
教養娯楽 | 1万5277円 |
その他の消費支出 | 3万821円 |
出典:総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
月10万円のうち、3万円を家族に振り込んでいる場合、月7万円で生活することになります。上記より65歳以上の単身高齢者が1ヶ月に必要な生活費は約15万円です。したがって、月7万円で生活するのはかなり厳しいといえるでしょう。
ゆとりのある生活を送るにはいくら必要?
老後は好きなところへ旅行に行ったり、趣味に時間を費やしたりするのが理想と考えている人もいることでしょう。ゆとりのある生活を送るためには、いくら必要になるのか解説します。
公益財団法人生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、経済的にゆとりのある老後生活を送るための費用についての質問をした結果、平均回答額は月額で14万8000円であることが分かりました。
総務省統計局の調査では、消費支出と非消費支出をあわせると15万7673円必要であるため、合計30万5673円あればゆとりのある生活ができることが想定されます。
生活費を除く使用用途として多かったのが、旅行、生活費の充実、趣味や娯楽、子どもや孫などとの付き合いという結果になっています。月々に使えるお金があればあるほど、老後の生活は充実したものになるでしょう。
老後資金の作り方
前述の金額をみると、年金だけでは今後の生活は厳しいことが想定されます。老後2000万円問題が話題となる昨今の状況を鑑みても、老後の生活がいっそう厳しくなるでしょう。
老後にゆとりのある生活を送るためには、若いうちの収入が重要になってきます。まず行いたいのは、固定費を見直すことです。固定費を見直すことで生活コストを削減でき、その分を貯蓄に回すことができるでしょう。
また、iDeCoやNISAといった金融商品で資産運用に取り組むのも一つの方法です。収入があるときに投資に回しておけば、老後だけでなくいざという時に役立ちます。年金だけに頼らず、今後は自分の力で資産を残していくことが重要視されています。
老後資金を見直そう
老後に安心した生活を送るためには、若いうちに得た収入をしっかりと貯めておくことが大切です。
ゆとりのある生活を送りたい場合は、さらに家計を見直す必要があります。今のうちから貯金や投資などを利用して、生活に困らない工夫をすることが大切です。
出典
総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要(19ページ)
公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(111ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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