廃タイヤの総重量は「年間80万トン」!? 意外な使い道で90%が有効活用されているって本当?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月27日 9時40分
タイヤ交換や廃車時など、廃タイヤは年間で80万トン近く発生しているようです。廃タイヤはただ処理されるだけではなく、さまざまな方法で有効活用されていますが、実際にどのような使い道があるのか気になる人もいるでしょう。 今回は廃タイヤが発生するおもなタイミングやリサイクル状況についてご紹介します。そのほか、廃タイヤの処理・回収ルートもまとめましたので、リサイクル状況について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
廃タイヤが発生するタイミング
廃タイヤが発生するタイミングは、おもにタイヤ取り替え時となるようです。一般社団法人 日本自動車タイヤ協会が2022年に発表している数値によると「タイヤ取替時」の廃タイヤ発生量は、本数で8000万本、重量で89万1000トンとされていました。
また、車を廃車にする際も廃タイヤが発生するタイミングです。本数で1200万本、重量で11万7000トンとなっており、タイヤ取り替え時と比較すると、機会が少ないことが関係し、本数と重量ともに少ない傾向にあると考えられます。
なお、前年比でみるとタイヤ取り替え時は増加傾向、廃車時は減少傾向にあります。タイヤ取り替え時はコロナ禍前の2019年と同等水準であり、廃車時は新車販売の減少に伴い、廃車数が減っていることで廃タイヤの発生量の少なさにつながっているといえるでしょう。
廃タイヤのリサイクル状況
2022年の廃タイヤのリサイクル状況を見てみると、おもに原形加工利用、熱利用、輸出の3方法でリサイクルに用いられているようです。
いずれも前年と比較して増加しており、リサイクルされる重量で見ると前年より8万トン増加し、合計で98万4000トンがリサイクルされています。このほかにも、石炭などの化石燃料の価格高騰が関係し、代替燃料として廃タイヤの需要が増えているようです。
さらに、省エネ法の改正によって非化石燃料への転換が必要になることで、廃タイヤの燃料需要も後押しされています。なお、廃タイヤは輸出だけでなく、年間の輸入量も増加傾向です。2022年の年間輸入量は約7万9900トンとなっており、前年比で5000トン増加していることも、あわせて覚えておくとよいかもしれません。
廃タイヤの処理・回収ルート
廃タイヤの処理・回収ルートは、排出者が誰なのかによって若干異なるようです。一般ユーザーが処理する場合は「一般廃棄物」としてタイヤ販売店に依頼するケースがほとんどであり、そこから廃棄物処理業者(収集運搬業者・中間処理業者)へ委託をします。
対して事業系ユーザーや解体系業者の場合、産業廃棄物として廃棄物処理業者へ処理を委託します。最終的には廃棄物処理業者から再生利用/最終処分を実施する業者へ「有償売却」もしくは「処分委託」が行われ、廃タイヤの処理・回収が行われるようです。
廃タイヤは原形加工利用、熱利用、輸出の3方法でリサイクルに用いられている
廃タイヤのリサイクル方法はおもに3つに分かれており、合計で98万4000トンがリサイクルされています。このほかにも代替燃料として廃タイヤの需要が増えているようで、さまざまな需要があると考えられるでしょう。
なお、廃タイヤはタイヤの取り替え時や車を廃車にする際に発生する傾向にあります。90%は、タイヤの取り替え時に廃タイヤとして処理されることもあわせて覚えておきましょう。
また、処理・回収ルートも誰が排出するかによって異なるようです。これらの部分の違いも理解しておけば、実際に廃タイヤを処理する際のトラブル防止につながるかもしれません。
出典
一般社団法人 日本自動車タイヤ協会 廃タイヤ(使用済みタイヤ)リサイクル状況及び廃タイヤの不法投棄状況を取りまとめました。
一般社団法人 日本自動車タイヤ協会 タイヤ業界におけるリサイクルへの取組み-2022年(5ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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