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10月の給与明細を見たら、年金保険料が「2000円」上がっていた! 年収は変わってないはずなのになぜ?「年金保険料」が変動する仕組みを解説

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月28日 4時30分

10月の給与明細を見たら、年金保険料が「2000円」上がっていた! 年収は変わってないはずなのになぜ?「年金保険料」が変動する仕組みを解説

給与明細を見て、「年金保険料が上がっている?」と感じたことがある人もいるのではないでしょうか。特に10月の給与明細では、前月までと比較して年金保険料が引き上げられているケースがあります。   本記事では、年金保険料が変動する仕組みやその理由、また年金保険料を支払うことのメリットについて解説します。

年金保険料が変わる仕組み

会社員の場合は一般的に厚生年金に加入していますが、厚生年金の保険料率は9月分から変動する可能性があります。そして、多くの場合は9月分の給料が10月に支払われるため、10月の給与明細で年金保険料の金額が変化することが少なくありません。
 
年金制度では、社会情勢や物価の変動、財政状況などを考慮したうえで保険料率が調整されます。そのため、毎月同じ給料をもらっているとしても、保険料率が見直されれば保険料額が変動することもあります。
 

年金保険料の決まり方

2017年に引き上げがあってから、厚生年金の保険料率は2024年11月まで同じままの状態です。しかし、保険料率が一定、かつ年収がほぼ同じでも厚生年金の保険料が上がることは考えられます。
 
年金保険料は、「標準報酬月額」に基づいて計算されます。標準報酬月額とは、簡単にいえば給与の金額をある範囲で区切ってランク付けしたものです。例えば、給与が24万円の場合、23万~25万円の区分に分類され、その区分の標準報酬月額=24万円が厚生年金保険料の計算に適用される仕組みです(令和6年度、東京都の場合)。
 
この標準報酬月額の見直しが年に一度、4月から6月の給与を基に行われます。この期間に支給された給料の平均額が基準となり、その年の9月から翌年の8月までの年金保険料が決定します。
 
つまり、前年と比べて年間の収入が同じくらいでも、4月から6月の給与は高く、ほかの月が少なかった場合、標準報酬月額のランクが前年よりも上がり、厚生年金の保険料が上がることがあるのです。
 
標準報酬月額が1つ上がると、厚生年金保険料が1000~3000円程度上がりますので、タイトルのように、9月分の給与明細から厚生年金保険料が2000円上がることも十分考えられるでしょう。
 

年金保険料を支払うメリット

「年金保険料が上がると、手取りが減って嫌だ」と感じる人も多いでしょう。しかし、年金保険料が上がると、以下のようなメリットがあります。
 

老後の年金額の増加が期待できる

年金保険料が引き上げられることで、将来受け取れる年金額も一定の増加が期待できます。
 
より多くの保険料を支払うことで、将来の生活費や医療費などに充てられる老後資金が増え、安定した生活を支える基盤となるかもしれません。
 

障害年金や遺族年金の保障が手厚くなる

年金保険料の増加に伴い、老後だけでなく現役時代の保障も手厚くなります。
 
例えば、不測の事故や病気で障害を負った場合に受け取れる障害年金や、支払っていた人が亡くなった際に家族が受け取れる遺族年金といった保障もあります。
 
保険料が増えることで、これらの保障も充実するため、万一の状況に対する備えとしてのメリットが高まるでしょう。
 

まとめ

10月の給与明細で年金保険料が上がるのは、年に一度の保険料率見直しと標準報酬月額の再設定が影響しています。
 
年金制度は、将来の生活を支えるだけでなく、現役世代にとっても安心できる保障をもたらす大切な仕組みです。そして、支払う保険料が上がると手取りは減ってしまいますが、将来受け取る年金の増額が期待できます。
 
保険料が上がることにはメリットもあることを理解し、長期的な視点で年金制度の意義を見つめてみるのもよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 厚生年金保険の保険料
全国健康保険協会 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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