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国立大学を卒業した兄は「奨学金270万円」を15年で返すそうです。私も奨学金で「私立大学」に進学予定なのですが、どのくらい返すことになるのでしょうか…?

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月28日 5時10分

国立大学を卒業した兄は「奨学金270万円」を15年で返すそうです。私も奨学金で「私立大学」に進学予定なのですが、どのくらい返すことになるのでしょうか…?

身近な人が奨学金の返済に苦労している様子を見て、「自分は奨学金を返せるだろうか?」と不安になる人もいるかもしれません。特に私立大学に進学する場合、国立大学と比べて学費がさらに高くなることもあり、奨学金の返済額がどれくらいになるのかは気になるところですよね。   本記事では国立大学と私立大学を例にして、学費や奨学金返済額を比較します。

奨学金とは

奨学金とは、学校に通うためのお金を支援してくれる制度のことです。日本では主に日本学生支援機構(JASSO)という団体がこの制度を運営しています。奨学金には「給付型」と「貸与型」の2種類があり、それぞれ返還義務の有無が異なります。
 

・給付型奨学金

給付型奨学金は、返還が不要な奨学金です。世帯収入の基準を満たし学ぶ意欲があれば、支援を受けることができます。
 

・貸与型奨学金

貸与型奨学金は、返還が必要な奨学金です。日本学生支援機構では、この貸与型に無利子と有利子の奨学金があり、進学にかかる学費や生活費に合わせて、毎月の借りる金額を選べます。
 
貸与型奨学金は返還の必要があるため、「借金」といえます。しかし奨学金を活用することで学費や生活費などの経済的な負担が軽くなるため、アルバイトに費やす時間を抑えられます。その結果、より多くの時間を授業や課題などに充てることができ、自分の学びに集中しやすくなるといったメリットを得られます。
 

大学の平均的な学費は

大学の学費は国立大学と私立大学で大きく異なります。文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、令和5年度の授業料や入学金は次のとおりです。
 

・国立大学

国立大学の場合、毎年の授業料は53万5800円で、入学料が28万2000円です。4年間の授業料と入学料を合わせると、242万5200円になる計算です。
 

・私立大学

私立大学の学費はさらに高くなります。毎年の授業料は平均で95万9205円、入学料が24万806円です。つまり私立大学で4年間学ぶと、入学料と授業料を合わせて407万7626円になります。
 
このように私立大学は国立大学に比べて学費の負担が大きいことが分かります。
 

貸与奨学金で借りた場合の月々返還額

国立大学と私立大学の学費を全て日本学生支援機構の貸与奨学金で借りた場合、卒業後にどれくらい返還する必要があるかを試算してみましょう。なお、貸与利率は1.2%、機関保証制度は利用しないものとして計算しています。
 
国立大学の学費総額である約243万円を全額借りた場合、返還計画は次のとおりになります。

●月の返還額:1万4837円
●返還期間:15年(180回)
●返還総額:267万689円

一方、私立大学の学費総額である約408万円だと次のとおり計算されます。

●月の返還額:1万9229円
●返還期間:20年(240回)
●返還総額:461万5110円

私立大学のほうが月々の返還額が多い上、返還期間が5年も長くなることが分かります。奨学金をいくら借りるかで、就職した後の家計に与える影響も大きいでしょう。奨学金を借りる前提で進学する際には、進学先についてもしっかり考えることが大切です。
 

計画的に奨学金を利用しよう

奨学金は進学時にかかる経済的な負担を軽減してくれますが、貸与型奨学金を借りた場合は卒業後に返還しなければなりません。
 
特に私立大学では学費が高く、借入額が多ければ返還額も多くなり、返還期間も長くなる傾向にあります。奨学金を利用する際は、自分の夢や目標、将来の生活を考え、慎重に判断してくださいね。
 

出典

独立行政法人 日本学生支援機構 奨学金制度の種類と概要
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
 
執筆者:山田麻耶
FP2級

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