内定が出た企業が「年俸制」なのですが、「月給制」とどのような違いがあるのでしょうか? メリット・デメリットを教えてください。
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月28日 10時30分
念願の内定を獲得したものの、採用された企業が「年俸制」であることを知ると、不安に感じる人もいるかもしれません。 「給与はいつのタイミングで支払われるのか?」「残業代や賞与はあるのか?」など、年俸制の特徴が気になる人も少なくないでしょう。 今回は、年俸制の特徴や、年俸制のメリット・デメリット、さらには年俸制の働き方に向いている人を詳しく解説します。
年俸制とは?
年俸制とは、従業員の成果や業績に応じて年単位で給与額を決める賃金制度です。
年俸の金額は、企業と従業員間で話し合いをし、両者が合意することで決まります。年俸は1年単位で定められますが、年に1回にまとめて支払われることはありません。なぜなら、労働基準法により、月1回以上の頻度で給与を支払うべきと定められているためです。つまり、年俸制の企業であっても、年俸額を分割した給与が毎月決まった日に振り込まれます。
月給制との違い
月給制とは、月単位で給与額を決定し、毎月支払われる賃金制度です。残業代や各種手当などにより、毎月受け取れる金額に差が生じる場合があります。
年俸制と月給制の大きな違いとして「従業員の成果や業績が給与額に反映するかどうか」が挙げられます。月給制の場合は、個人の成果や業績は大きく影響しない傾向がある一方で、賞与については企業の業績やそれぞれの従業員の成績が大きく関係するのが特徴です。
年俸制を導入する企業が増えている理由
これまで、日本企業の多くは「終身雇用制度」を採用していたこともあり、個人の成果や業績を評価する「年俸制」ではなく「月給制」を導入していました。
しかし、近年では企業のグローバル化によって、個人の実力次第で年収に大きく影響を与える「年俸制」を導入する企業が増えているようです。海外企業との競争に勝ち抜くためには、成果を出せる優秀な人材を確保し、育成する必要があるためです。
また、年俸制は、それぞれの従業員の成果が直接的に反映される仕組みであることから、従業員のモチベーションアップにもつながりやすい賃金制度と考えられています。どの業界も人材不足が叫ばれているなか、賃金制度を年俸制に切り替える企業も増えてきているのです。
年俸制で働くメリット・デメリット
年俸制で働くメリットとしては「年収アップが期待できる」「いきなり給与を減額されるリスクがない」などが挙げられます。
年俸制を採用する企業の場合、実力次第では若手の段階でも高年収が期待できます。また、年俸の対象期間において、減給されるケースはほとんどないとされているようです。年間収入の見通しを立てやすく、マイホームや車などの大きな買い物をする際や、旅行の計画を立てる際にも役立つ可能性があります。
一方で、年俸制で働くデメリットとして「成果次第では減額されるリスクがある」「成果を出してもすぐに給与に反映されない」などが挙げられます。
年俸は、基本的に毎年更改されるため、成果が十分に出せていないと判断されると、翌年の年俸が減額されるリスクがあります。現在の収入が継続する保証もない点が大きなデメリットといえるでしょう。例え成果を出したとしても、すぐに昇給につながらない点は注意すべきポイントといえます。
年俸制の働き方に向いている人
年俸制は、個人の頑張りが収入に反映されやすいという特徴から「自分の実力を正当に評価してほしい人」や「大幅な収入アップを狙いたい人」「収入額を把握してライフプランを立てたい人」などに向いていると考えられます。
年俸制で働くメリット・デメリットを正しく理解しましょう
年俸制は、成果主義に近い賃金制度の一つです。成果を出せば出すほど、年収の大幅アップにつながる可能性があります。一方で年俸制は、成果次第では年収がダウンするリスクがあります。全ての人たちに適した働き方とはいいきれないことを踏まえたうえで、ご自分が年俸制に向いているかを確認しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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