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「公務員」VS「民間企業」退職金が多いのはどっち?老後の生活費はどれくらい賄えるのか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月28日 2時0分

「公務員」VS「民間企業」退職金が多いのはどっち?老後の生活費はどれくらい賄えるのか?

自身は民間企業に勤めており、同じような勤続年数で公務員の知人がいると、民間企業と公務員の退職金の差が気になる方もいるでしょう。総務省と厚生労働省の調査では、公務員と民間企業の退職金にはある程度差がありました。   また、退職金を老後の生活に回したいと考えている場合には、いくらもらえるかだけでなく今後はいくら支出が発生するかも把握しておくことが大切です。   今回は、公務員と民間企業の退職金の差や老後の生活費などについてご紹介します。

公務員と民間企業の退職金はどれくらい違う?

今回は、地方公務員と民間企業の退職金の額を比較しましょう。
 

公務員

総務省の「令和5年地方公務員給与の実態」によると、地方公務員で勤続25年以上の場合、平均退職手当は2174万7000円でした。また、勤続年数に関係なく、自己都合で退職した場合の平均退職給付は 241万6000円です。
 
なお、国家公務員の退職手当は、法律により基準が決まっています。内閣官房によると、国家公務員の退職手当は「基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給率×調整率)+調整額」です。もし知人に国家公務員がおり、等級なども分かっている場合は、計算式からおおよその退職手当を求められます。
 

民間企業

厚生労働省が公表している「令和5年就労条件総合調査の概況」によると大学卒業者で管理・事務・技術職をしていた場合の退職給付は平均で1896万円でした。また、同条件での勤続年数別の退職給付は表1の通りです。
 
表1

勤続年数 退職給付全体 退職一時金制度のみ 退職年金制度のみ 両制度併用
20~24年 1021万円 892万円 1224万円 1490万円
25~29年 1559万円 1378万円 1586万円 2001万円
30~34年 1891万円 1642万円 1598万円 2352万円
35年以上 2037万円 1822万円 1909万円 2283万円

出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査の概況」を基に筆者作成
 
地方公務員の勤続25年以上の平均退職給付と比較すると、勤続30年までなら公務員の方が高いです。一方、勤続30年を超えると、退職一時金と退職年金制度を併用していれば、地方公務員よりも民間企業勤めの方が高くなっています。
 
しかし、片方の制度だけの場合、民間企業のすべての勤続年数よりも地方公務員の退職給付の方が高い結果です。つまり、基本的には公務員の方が退職給付は高いといえるでしょう。
 

退職後に生活するためにはいくら必要?

総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上で無職の単身世帯では、毎月の平均消費支出が14万5430円、税金や保険料などの非消費支出が1万2243円でした。年金などの平均実収入が12万6905円なので、毎月3万768円が不足する計算です。
 
不足分は貯金や退職金から賄います。仮に貯金があまりないまま退職金を平均額ほどもらったとしましょう。地方公務員の場合は2174万7000円なので、毎月の不足分を約706ヶ月分、年数にして約58年分賄えます。
 
民間企業で25年働き、1559万円を受け取った場合は約506ヶ月分、約42年分です。もし平均額通りの金額で生活を送るとすると、老後の生活費を賄える年数に10年以上差があります。比較結果だけ見ると、公務員の方がより安定した老後生活を送りやすいといえるでしょう。
 
しかし、65歳で退職をして退職金で老後を過ごすと考えると、どちらの場合でもゆとりはあると考えられます。仮に民間企業の年数で考えても、42年後には100歳を超えているためです。
 

退職金は公務員の方が多いといえる

退職金の平均額で比較すると、勤続25年の地方公務員の方が、勤続25~29年の民間企業の平均退職金よりも多い結果でした。民間企業の場合、勤続年数が30年を超えると地方公務員よりも多くなるケースがあります。
 
老後の生活費で考えると、貯金がなかった場合では公務員の方が約10年分多く賄える計算です。しかし、実際の過ごす期間を考慮すると、退職金を平均額ほどもらっていれば、民間企業でもゆとりのある老後を送れる可能性はあるでしょう。
 
もし少しでも老後の生活に余裕を持たせたいときは、定年する前の早い段階から貯金を始めておく方法も有効です。
 

出典

総務省 令和5年地方公務員給与の実態 第15表(397、398ページ)
内閣官房 給与・退職手当 国家公務員の退職手当制度の概要
厚生労働省 令和5年就労条件総合の概況(18ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要(18ページ)
 
※2024/11/28 タイトルを一部修正いたしました。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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