今年の年収が扶養の枠を超えるかもしれません。「iDeCo」を利用すると収入調整ができると聞いたのですが、今から間に合うでしょうか? 12月に向けて勤務日をなかなか減らせないので困っています
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月30日 23時20分
「iDeCo」は、個人型確定拠出年金で、公的年金とは別に年金を受給できる私的年金の1つです。積み立てた掛け金は、全額所得控除となるなど、税制面で優遇される制度でもあります。本記事では、「iDeCo」とはどういった制度かを確認し、どのように収入調整ができるか解説してみます。
「iDeCo」とは?
「iDeCo」は、私的年金の1つですので、加入は任意です。加入の申し込み、掛け金の拠出および運用は加入者自身で行います。iDeCoに加入する際は、iDeCoを取り扱っている金融機関等で加入手続きをします。
以下、制度の概要は以下のとおりです。
1.加入対象者
(1)国民年金第1号被保険者(自営業者等)
※農業者年金の被保険者、国民年金の保険料免除者は除く
(2)国民年金第2号被保険者(厚生年金保険の被保険者)
※公務員や私立学校教職員共済制度に加入している人を含む
※企業型DCに加入している人については、下記[1]〜[3]のすべてにあてはまる場合に限る
[1]企業型DC・iDeCoの掛け金が各月拠出である
[2]iDeCoの掛け金の額が、企業型DCの事業主掛け金額と合算してもなお各月の拠出限度額を超えていない
[3]企業型DCの加入者掛け金を拠出していない
(3)国民年金第3号被保険者(専業主婦(夫)等)
(4)国民年金任意加入被保険者
2. 拠出額
(1)国民年金第1号被保険者(自営業者等):6万8000円/月
※国民年金基金の掛け金、もしくは国民年金の付加保険料を納めている場合は、それらの額を控除した額
(2)国民年金第2号被保険者(厚生年金保険の被保険者)
・確定給付型の年金および企業型DCに加入していない場合(公務員を除く):2万3000円/月
・企業型DCのみに加入している場合:2万円/月
※企業型DCの事業主掛け金の額との合計額が5万5000円の範囲内
・確定給付型の年金のみ、もしくは確定給付型と企業型DCのどちらにも加入している場合:1万2000円/月
※企業型DCの事業主掛け金との額の合計が2万7500円の範囲内
・公務員:1万2000円/月
(3)国民年金第3号被保険者(専業主婦(夫)等):2万3000円/月
(4)国民年金任意加入被保険者:6万8000円/月
※国民年金基金の掛け金、もしくは国民年金の付加保険料を納めている場合は、それらの額を控除した額
3.税制面での優遇される制度
(1)掛け金は、全額所得控除の対象となり、「所得税」と「住民税」が軽減されます。
(2)運用益が非課税になります。
(3)受取時に、税制面で優遇があります。具体的には、60歳以降に年金で受け取る場合は「公的年金控除」、一時金で受け取る場合は「退職所得控除」が適用されます。
どのように収入調整できるか?
「iDeCo」は、ここまで見てきたように、私的年金ではあるものの、積立時、運用時、そして受取時のすべてにおいて税制面で優遇される制度です。
今回のテーマにある扶養内で働いている人が、「iDeCo」を利用すると、掛け金が所得控除の対象になるので、税金を抑えることができます。例えば、扶養内で働いている人が、年収125万円になるケースを見ていきます。
1.「iDeCo」を利用しない場合の所得税
課税所得=125万円-55万円(給与所得控除)-48万円(基礎控除)=22万円
所得税=22万円×5%(所得税率)=1.1万円
2.「iDeCo」を利用した場合の所得税
専業主婦(夫)は、月額2万3000円を積み立てることができるので、年末までの2ヶ月分の掛け金4万6000円を積み立てた場合には、この金額が課税所得から差し引かれます。すると所得税は、以下のように減額されます。
課税所得=125万円-55万円(給与所得控除)-48万円(基礎控除)-4.6万円=17.4万円
所得税=17.4万円×5%(所得税率)=0.87万円
まとめ
「iDeCo」を利用すると、掛け金が所得控除の対象となるため、その分税金が軽減されます。専業主婦(夫)の場合には、月額2万3000円、年間では27万6000円が掛け金の限度額となっていますので、最大拠出した場合には、限度額分が課税所得から差し引かれます。「iDeCo」のこういった仕組みを活用し、働き方を検討しても良いかもしれません。
出典
iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ)の特徴
厚生労働省 iDeCoの概要
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー
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