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秋の昇進で「係長」に! 中小企業勤務の39歳で「本給29万円」は妥当ですか?「大企業勤務」の場合とも比較

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月1日 2時20分

秋の昇進で「係長」に! 中小企業勤務の39歳で「本給29万円」は妥当ですか?「大企業勤務」の場合とも比較

秋といえば、春とともに昇給の時期です。年次や経験年数、企業規模によって昇給率は変わるものですが、非役職者にとって「係長」はやっと手に入れた初の役職となることが多いことでしょう。大幅な昇給に期待してしまうのも無理はありません。   本記事では、39歳で係長となった場合の「本給29万円」が妥当なのか、統計をもとに調査します。

係長クラスの給料は?

39歳で係長となった人は、係長の中では若いほうだといえます。厚生労働省が2023年に実施した「賃金構造基本統計調査」によれば、係長級の平均年齢は男性45.5歳、女性45.4歳です。図表1に、役職別の賃金をまとめました。
 
図表1

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 役職別より筆者作成
 

「本給29万円」は妥当なの?

係長級の賃金は、男女間の平均で37万800円です。本給29万円とは大きく離れているように感じますが、統計の賃金には各種手当が含まれています。
 

【調査の時期】

●当年6月に支給された現金給与(所得税、社会保険料などを控除する前の額)
●賞与、期末手当等特別給与額については調査前年1年間

 
【調査の結果】
賃金には次の現金給与額が含まれています。

●基本給
●職務手当
●精皆勤手当
●通勤手当
●家族手当
●超過労働給与額

 
【賃金に含まれないもの】
賃金に含むのは現金給与のみであり、現物給与(食事補助、通勤定期券、制服など)は含んでいません。
 
つまり、厚生労働省の調査結果にはだいたいの「本給、各種手当、残業代」が含まれているのです。ただし、各種手当がいくらかまでは分かりません。
 

企業規模で賃金はどれだけ変わる?

中小企業と大企業では、役職に対する賃金差がどれほどあるのでしょうか? 図表1において係長級の平均年齢が約45歳だったので、図表2の「企業規模別・年齢階級別」に当てはめてみましょう。
 
なお、企業規模は、常用労働者の数で定義されています。

●大企業:1000人以上
●中企業:100~999人
●小企業:10~99人

 
図表2

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 企業規模別より筆者作成
 
係長級の平均年齢は45.4歳なので、図表2の「45~49歳」から抜粋し図表3にまとめます。
 
図表3

図表1・2をもとに筆者作成
 
係長級の平均年齢である45~49歳の平均賃金をみると、中企業では大企業との差が4万2400円、小企業では7万700円でした。
 

まとめ

本給(基本給)29万円の場合、各種手当が足されて賃金がいくらになっているのかが分からないと、相場より多いか少ないかが判断できません。労働基準法で定められている割増手当以外は、会社が任意で支給する手当です。どんな手当がどれくらい支給されるかは平均できるものではなく、「在籍している会社次第」としか言いようがありません。
 
大企業と中小企業との賃金差は明らかで、係長級が多い年代では数万円程度でも、50歳代後半になるとその差は最大10万2900円にも広がります。
企業規模だけでなく業種・地域によっても賃金は異なります。年功序列型の賃金が将来的に約束されているわけでもないので、未来はどう変わるかは分からないでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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