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「配偶者特別控除」は「配偶者控除」とどう違うの? 150万円の壁とは? 年収700万円の夫・年収140万円の妻を例に解説

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月2日 22時0分

「配偶者特別控除」は「配偶者控除」とどう違うの? 150万円の壁とは? 年収700万円の夫・年収140万円の妻を例に解説

配偶者控除と配偶者特別控除、似たような名称ですが違う制度です。配偶者特別控除とはどのような制度なのか、“150万円の壁”とは何かを整理しながら、年収700万円の夫と年収140万円の妻を例にとって考えてみましょう。

配偶者控除と配偶者特別控除ってどう違うの?

配偶者控除と配偶者特別控除の違いについて確認しましょう。
 
配偶者控除は、所得が48万円以下の場合に一律38万円が控除されます。
 
例えば配偶者(ここでは妻とします)の年収が103万円だったとすると、55万円の給与所得控除を控除した所得が48万円となります。48万円以下であれば、夫の所得から配偶者控除として38万円が一律で引かれます。「103万円の壁」というのは、このボーダーのことを指しています。
 
これに対して配偶者特別控除は、妻の所得が48万円超133万円以下(年収では103万超205万円以下)の場合に適用され、控除額は38万円から3万円までの範囲と段階的に小さくなります。なお、これらはいずれも主納税者(夫)の年収が900万円以下を前提にしています。
 

配偶者の年収が150万円超で配偶者特別控除が満額から減少し始める

最近よく耳にする「150万円の壁」というのは、配偶者特別控除に関連する年収の制限を示す表現です。具体的には、配偶者の年収が150万円(所得が95万円)を超えると、配偶者特別控除が満額の38万円から減少し始めることから、「150万円の壁」と呼ばれています。
 
図表1

図表1
(国税庁「令和5年分 確定申告書等作成コーナー よくある質問 配偶者特別控除とは」を参考に筆者作成(収入は給与収入のみ))
 

年収700万の夫と140万円の妻のケース

言葉の意味を確認したところで、具体的なケースを見ていきましょう。
 
<配偶者特別控除の適用範囲>
妻の年収が140万円なので、所得は140万円-55万円=95万円(給与所得控除は、年収162万5000円以下は一律55万円)。配偶者控除の適用は難しいですが、配偶者特別控除の範囲内に入り、38万円が控除されます。
 
<夫の所得>
夫の年収が給与収入の700万円だけだったとします。
 
この場合の給与所得控除は180万円なので、夫の給与所得は520万円です。ここから、各種控除を引いて所得税の計算の基礎を出します。その控除のなかに配偶者控除、配偶者特別控除があります。今回のケースで妻の配偶者特別控除38万円を引けば、それだけ所得税の計算の基礎が押さえられることになります。
 
妻の年収が140万円の場合、満額38万円の配偶者特別控除を引いた夫の課税所得に基づき税率は10%、税率に応じた控除額で調整して所得税は23万2100円です(図表2)。
 
図表2

図表2
 
例えば妻の年収が150万円になると、満額の配偶者特別控除ではなく36万円になります。それに伴って夫の課税所得が増え、適用される税率が10%から20%に上昇した時点で、所得税負担が予想以上に大きくなることが考えられます(図表3)。
 
図表3

図表3
(国税庁「令和5年分 確定申告書等作成コーナー よくある質問 所得税の税率とは」を参考に筆者作成)
 
夫婦の年収により税負担の状況はさまざまですので、ご自身の家庭はどうなっているのか一度確認してみるといいでしょう。
 

出典

国税庁 No.1191 配偶者控除
国税庁 令和5年分 確定申告書等作成コーナー よくある質問 配偶者特別控除とは
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 令和5年分 確定申告書等作成コーナー よくある質問 所得税の税率とは
 
※2024/12/3 記事を一部修正いたしました。
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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