「毎日買うよりお得だから」といって、日をまたいで「2リットルコーラ」を飲む夫。コップに移さず「ラッパ飲み」しているのですが、「雑菌」が潜んでいるのではないかと思ってしまいます…。
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月2日 10時50分
ペットボトル飲料に直接口をつけて飲んでいて、しかも日をまたいでとなると、雑菌の繁殖が心配になっても不思議ではありません。夫が飲んでいるのならなおさらでしょう。 今回は、口をつけたペットボトル飲料を放置することは衛生面で問題がないか、一度見直してみることにしましょう。
口をつけたペットボトル飲料では菌が繁殖していることもある
宇都宮市衛生環境試験所では、ペットボトル飲料に口をつけて飲んだ後、温かい場所に最大48時間まで放置して菌がどれくらい増殖するかを調べました。ミルクコーヒー、麦茶、スポーツドリンク、果汁100%オレンジジュース、緑茶の5種類を使用しての実験です。
結果として、ミルクコーヒーのように栄養分が豊富な飲料では、細菌が急激に増えることが分かりました。一方、スポーツ飲料や果汁100%オレンジジュースでは、菌の増殖はほとんど見られませんでした。
実験の結果からは、口をつけて飲んだペットボトル飲料を放置すると、時間が経つにつれて細菌が増える可能性はあり、特に糖分を多く含む飲料では注意が必要な傾向があることが分かりました。
菌の繁殖だけではない/高カロリー飲料の摂取が心血管疾患のリスクを高める
果糖やブドウ糖などを含む甘い飲み物を毎日飲むと、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなる可能性があります。
ジュースやコーラなどの高カロリー飲料を毎日飲む人は、飲まない人に比べて心血管疾患のリスクが約20%高く、1杯以上飲む人は、脳卒中などのリスクも増加するといわれています。
果汁入り飲み物は健康的と思われることもありますが、実際は果糖が多く含まれており、心血管疾患のリスクが42%高くなることも分かっているようです。また、コーラやサイダーなどの炭酸飲料についても、心血管疾患のリスクを23%増加させていました。
コーラ1リットルで糖質摂取量の約1/3を占める
農林水産省によれば、成人男性が1日に必要とするエネルギー量が2000~2400kcalです。また、糖質から摂るべきエネルギー量の目安を、総エネルギー量の50~60%とした場合は次のように計算できます。なお、今回は1日に摂取するエネルギー量を2400kcalと仮定します。
2400kcalの50%:1200kcal
2400kcalの60%:1440kcal
糖質1gは約4kcalのエネルギーを持つため、糖質摂取量の目安は以下の通りです。
1200kcal÷4kcal/g=300g
1440kcal÷4kcal/g=360g
したがって、成人男性の場合、1日の糖質摂取目安量は300~360gとなります。
コーラを1日1リットル飲むと糖分を113g摂取することになりますが、これは1日の糖質摂取目安量の約31~37%に相当します。つまり、コーラだけで1日の糖質摂取量の約1/3以上を占めてしまう量ということです。
1リットルと2リットルで30日間のコーラ代に900円の差
1リットルのコーラ(137円)を毎日購入すると、30日間の費用は次のようになります。
137円×30日=4110円
一方、2リットルのコーラ(214円)を2日に1回購入する場合、30日間での購入回数は15回になるため、かかる費用は以下の通りです。
214円×15回=3210円
つまり、30日間での費用差は次の通りです。
4110円-3210円=900円
費用差は900円です。個人の経済状況などにより感じ方は異なる可能性がありますが、それほど大きな差ではないため、飲み切れる量のボトルを選ぶことが望ましいと考えられます。
2リットルコーラのペットボトルに直接口をつけて飲むと、雑菌が中で繁殖する可能性がある
2リットルコーラのペットボトルに直接口をつけて飲んで、しかも日をまたいでとなると、雑菌の繁殖リスクがあります。
また、糖分の過剰摂取による健康リスクもあります。日持ちしやすい飲料だったとしても、開封後はできるだけ早く飲み切り、衛生面を考慮してコップに移して飲むことが推奨されます。また、コーラの摂取により糖質を多く取りすぎる可能性があるため、適量を守ることも重要です。
個人の経済状況などにより感じ方は異なる可能性がありますが、費用面では1リットルと2リットルの差は月900円とそれほど大きくないため、1日で飲み切れるサイズを選んだ方が、健康面ではよいかもしれません。
出典
宇都宮市 宇都宮市衛生環境試験所 (9)口をつけたペットボトル飲料、飲み残しは飲まない方がいい?
農林水産省 一日に必要なエネルギー量と摂取の目安
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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