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病院からすぐ入院を勧められ、1日1万円の「個室」に入ることに…。大部屋で十分なのですが、すでに同意してしまったら変更は難しいのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月3日 3時40分

病院からすぐ入院を勧められ、1日1万円の「個室」に入ることに…。大部屋で十分なのですが、すでに同意してしまったら変更は難しいのでしょうか?

今回は、病院から急な入院を勧められて1日1万円の個室に入ることに同意してしまった場合、変更ができるのか、どうすれば部屋の変更が可能なのか、一緒に考えてみたいと思います。

差額ベッド室利用時の注意点

差額ベッド代は、入院時に個室を希望するなど、通常の大部屋以外を選んだ場合に発生する追加費用で、全額自己負担となります。この費用は、通常、医療費控除や高額療養費制度の対象にはならないため注意が必要です。
 
病院側の説明を十分に確認せず、「大部屋は満室ですが差額ベッド室なら入院可能です」と提案されて、よく読まず同意書にサインした場合でも、病院の説明に納得したうえで差額ベッド室を利用したとみなされます。
 
病院の都合で差額ベッド室しか利用できない場合は、差額ベッド代を払わなくてもいい場合もあるため、同意書へのサインをする前にしっかりと確認をしておきましょう。
 

約8割が希望の病室タイプに入室

市立大津市民病院は入院患者を対象にアンケートを実施し、病室のタイプについて希望を出したか尋ねました。希望を出した人の中で「4人部屋」を選んだ人は251人中92人(36.7%)、特に希望を出さなかった人も同じく92人(36.7%)で最も多い結果でした。
 
また、希望した病室に最初から入室できたと答えた人は110人(80.3%)です。途中から入室できた人は13.1%でした。
 
病室タイプを希望した患者のうち、8割が希望した病室にすぐに入室できていることから、病院側が患者の希望に応じた対応をかなりの割合で実現していることが分かります。一方で、途中から入室できたと回答した人も1割程度おり、希望通りの病室にすぐに入れない場合も一定数あるようです。
 

個室利用の追加料金、患者の許容額は5000円

同調査にて、個室利用時の1日あたりの追加料金としてどの程度が許容範囲か尋ねたところ、「5000円程度」と回答した人が最も多く、125人(71.8%)でした。次いで「1万円程度」と答えた人が46人(26.4%)でした。
 
つまり、7割以上の人が5000円程度を適切な範囲と考えており、経済的な負担を抑えたい傾向があると考えられます。一方で、1万円程度の追加負担を許容してでも個室を希望する人も一定数存在します。
 
実際に差額にベッド代の平均はどの程度なのでしょうか。
 
厚生労働省が公表している「主な選定療養に係る報告状況」の資料によると、令和5年7月1日時点の差額ベッド代の相場は表1の通りです。
 
表1

1日当たり平均徴収額
1人部屋 8437円
2人部屋 3137円
3人部屋 2808円
4人部屋 2724円
平均 6714円

出典:厚生労働省「主な選定療養に係る報告状況」を基に筆者作成
 
このデータから、入院患者が望む5000円程度の追加料金は、実際の1人部屋の平均料金である8437円よりも低めであることが分かります。患者が感じる手頃な価格帯と実際の費用との間にはギャップがあるといえるでしょう。
 

差額ベッド代を避けるためのポイント

差額ベッド代を避けるためには、入院前に差額ベッド代が発生しない部屋を希望していることを病院に伝え、差額ベッド室に同意する署名を避けるのが基本です。
 
すぐに治療が必要な場合や特定の病院で治療を受けたい場合は、差額ベッド代の負担が困難であることや、差額ベッド代がかからない部屋が空き次第移動したい旨を病院側に伝えた上で差額ベッド室に同意することも一つの選択肢です。
 
ほとんどの病院には入退院連携室や地域連携室といった相談窓口が設置されており、入院前や入院中、退院後の不安や疑問について相談できます。支払い方法についても、一括払いが難しい場合は分割払いなどの提案を受けることができる場合があります。
 

1日1万円の個室に入ることに同意してしまった場合でも変更は可能

差額ベッド代は、個室や特別な部屋を選ぶ際にかかる自己負担費用で、通常は医療費控除や高額療養費制度の対象にはなりません。差額ベッド代を避けるためには、入院前に希望する部屋を病院に伝えることが基本です。
 
ただし、急な入院や特定の病院で治療したい場合は、負担が難しいことを伝え、空き部屋があれば移動したい旨を病院に伝えることもできます。自分の希望を早めに伝えることが大切です。
 

出典

市立大津市民病院 患者満足度アンケート 入院患者分2018年年度
厚生労働省 主な選定療養に係る報告状況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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