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最新の平均年収は「460万円」! 前回と比べて上がってる?「推移」もあわせて紹介

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月3日 2時30分

最新の平均年収は「460万円」! 前回と比べて上がってる?「推移」もあわせて紹介

国税庁は、9月末に「令和5年分 民間給与実態統計調査」を公表しました。調査では平均年収をはじめ、民間企業の給与実態が明らかになっています。昨年の調査では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均年収が458万円という結果でした。今年の平均年収は、どのような動きがあったのでしょうか。   本記事では、最新の平均年収事情について、賃金の推移や物価・実質賃金といったデータを交えながら解説します。

最新の平均年収はいくら?

国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によれば、令和5年の1年を通じて勤務した給与所得者の平均年収は約460万円です。内訳は図表1のとおりです。
 
図表1

図表1

国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査 より筆者作成
 
正社員と正社員以外、男性と女性とでは平均年収に200万円~300万円ほどの差が見られます。特に正社員以外の平均給与は200万円台と、正社員に比べて待遇には大きな差があります。また、全体の平均給与の伸び率は0.4%で、前年からは大きく変わっていないことが分かります。
 
一昨年ごろまでは新型コロナウイルスによる収入減が影響していると考えられ、給与が上がったというよりは「コロナ前に戻った」という実感の人もいるでしょう。令和4年分の調査では平均給与の伸び率が2.7%だったことも考慮すると、令和5年分の調査では給与の伸びはやや物足りない数字といえるでしょう。
 

平均給与の推移を検証

では、平均給与の推移を見てみましょう。令和元年から令和5年までの5年間で、男女の平均給与は図表2のように変遷しています。
 
図表2

図表2

国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査 より筆者作成
 
令和2年は新型コロナウイルスの影響もあり、平均給与は男女ともに減少しました。しかし、令和3年には大きく上昇し、以降も伸び続けています。令和5年の平均給与額は、直近10年では最も高い数字であり、少しずつではありますが給与が増えてきていることが分かります。
 
にもかかわらず、私たちの生活は苦しいままと感じている人が多いのではないでしょうか。本来、給与が増えれば生活にゆとりが持てるはず。なぜ私たちの生活は「よくなった」という実感が湧かないのでしょうか。
 
これは、物価や実質賃金の伸びが影響していると考えられます。次節で物価や実質賃金の上昇率を確認してみましょう。
 

物価・実質賃金は上がった?

私たちの生活は、物価や賃金に大きく左右されます。物価が賃金の伸びを上回れば家計を圧迫しますし、賃金が物価の伸びを上回れば生活に余裕を持てます。
 
国内の物価状況を把握する指数として「消費者物価指数」があります。現在は2020年の物価を基準として、毎月数値を発表しています。令和5年の平均総合指数は2020年を100とした場合105.6と、令和4年に比べて3.2%も上昇しています。これは32年ぶりの上昇幅であることから、いかに物価が高くなっているかが分かります。
 
また、実質賃金も重要な指数です。厚生労働省の調査である「毎月勤労統計」にて公表されています。2023年の現金給与総額(名目賃金)は32万9778円でしたが、実質賃金は2.5%減少しています。2023年の賃金動向は、額面の給与は上がっても、手取りは減っているといった状況になっているのです。
 
物価の上昇や実質賃金の減少という結果から、平均給与が上がっても生活がよくなっている実感は少ないままといえます。
 

まとめ

最新の年収事情は、昨年と比べて大きな違いはありませんでした。本年度は、最低賃金が最大で9.4%上昇している地域もあるなど、伸び率の上昇が期待されます。一方で、物価上昇も依然として続いており、実質賃金がどこまで伸びるかが注目されそうです。
 

出典

国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
総務省 消費者物価指数 2020年基準消費者物価指数 年報
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年分結果確報
 
執筆者:石上ユウキ
FP2級、AFP

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