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子どもが大きくなったので、父が「ヴェルファイア」を買ってくれることに!「タンス預金だから税金は大丈夫」とのことですが、本当に払う必要はないのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月3日 3時10分

子どもが大きくなったので、父が「ヴェルファイア」を買ってくれることに!「タンス預金だから税金は大丈夫」とのことですが、本当に払う必要はないのでしょうか?

子どもが成長し、家族での移動手段として車を新しく購入したり買い替えたりしたいと考える人も多いでしょう。その際、親が子どものために高級車を購入してくれるという話もあるようです。   しかし、こうした親から子への善意であっても、贈与税が絡んでくることを考えなければいけません。「現金じゃないから」「タンス預金だから大丈夫」などと楽観視するのは危険です。税務署に指摘され、本来支払うべき贈与税に加えて、ペナルティを科せられるかもしれないからです。   ヴェルファイアのような高額な車を購入してもらう場合、どれほど贈与税がかかり、どのように対応すれば良いか見ていきましょう。

新車を購入してもらうと贈与税がかかる

子が親から新車を買ってもらった場合、その購入代金がそのまま「贈与された財産の価値」として扱われ、贈与税の対象になります。例えば、買ってもらった車の価格が700万円だった場合、かかる贈与税は88万円です(父母や祖父母など直系尊属から贈与により取得した財産に係る贈与税に当たる場合)。
 
贈与税は、財産をもらった人が支払う税金で、翌年の3月15日までに確定申告を行い、支払わなければなりません。つまり700万円の車をもらう場合、贈与税として88万円を用意しなければならないのです。
 

生活必需品は贈与税の対象外となる場合もあるが……

国税庁は、「扶養義務者からの生活費や教育費に充てるための財産で、通常必要と認められるもの」、つまり親からもらった生活必需品には贈与税がかからないとしており、車も贈与税がかからない財産となることがあります。
 
しかし、ヴェルファイアのような高級車はどうでしょうか? 税務署の個別の判断にはなりますが、これが「通常必要」と見なされる可能性は低いでしょう。
 
また、高級車ではなかったとしても、都心など公共交通機関が充実しており、車が生活必需品と見なされない地域に住んでいる場合も、贈与税の非課税財産として認められるのは難しいといわれています。
 

「タンス預金だから贈与税はかからない」は間違い

タンス預金からの贈与なら「税務署に見つからない」と考える人もいますが、これは大きな誤解です。
 
税務署は、KSK(国税総合管理システム)という国民の申告・納税実績などを一元管理するシステムや預金口座調査などを使って、お金の流れを調査できます。たとえ現金のやり取りであっても、贈与があったことを見抜けるのです。
 
後日、税務署から問い合わせを受け、贈与税の未払いが確定すると、本来支払うべき贈与税に加えて、延滞税や無申告加算税などのペナルティが発生します。そのため、正しく税務申告を行うことが重要です。
 

贈与税を避けたいなら基礎控除内の贈与で数年にかけてお金をもらう

贈与税の負担を軽減する方法として、分割して贈与を受ける方法があります。贈与税には年間110万円の基礎控除があるため、1年間に受けた贈与の総額が110万円以下であれば贈与税はかかりません。これを上手に活用し、700万円を数年に分けて贈与を受けるのです。
 
ただし、毎年100万円ずつ7年間贈与するなどすると、「7年間で合計700万円を受け取る権利の贈与」があった、つまり初年度に700万円の贈与があったとみなされ贈与税がかかることがあります。
 
贈与税を避けるためには、毎年の贈与が単発のものであることを示さなければなりません。最終的には税務署が個別に判断するものですが、その意図を明確に示すために、毎年贈与契約書を作成することや、金額や時期をずらすことが効果的とされています。
 
ただし、7年間かけての贈与が現実的かというと、疑問が残るところです。長い時間と労力をかけて節税するよりも、贈与税を支払うほうが楽かもしれません。
 

適切な贈与で税負担を抑えよう

親子間であっても、高級車の贈与には贈与税が発生します。「タンス預金だから大丈夫」などの安易な考えに頼らず、正しく税務申告して贈与税を支払う、または年間基礎控除内で分割贈与を行うなど、適切な対策をとることが大切です。
 
贈与税の制度を理解し、後から税務署に指摘され、ペナルティを科されることのないよう注意しましょう。
 
※ 2024/12/3 記事を一部、修正いたしました。
 

出典

国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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