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「救急車1台」にはどれだけの費用がかかっている? 車内に搭載された医療設備や1回の搬送費用もあわせて解説

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月3日 9時40分

「救急車1台」にはどれだけの費用がかかっている? 車内に搭載された医療設備や1回の搬送費用もあわせて解説

人命救助にかかわる救急車は、購入費用や救急搬送費用は、どのくらいの費用が必要かご存じでしょうか。   救急車は一般の車と比較すると、装備や費用は大きく異なります。また、ほとんどの自治体では救急車の利用は2024年11月中旬時点で無料ですが、見えない費用は税金で賄われています。   そこで、私たちの税金で購入している救急車1台の購入費用や人命救助のために搭載される車内の設備、救急搬送における費用も紹介します。

救急車1台当たりの費用は驚くほど高い

人の命を助ける救急車の大部分は「高規格救急車」と呼ばれ、さまざまな処置をする設備が整っています。
 
救急車1台当たりの費用は、自治体によって異なるものの、例えば、熊本市で使用されている救急車は約2900万円です。一方で、使用目的に応じた救急車も存在しています。
 
表1

陰圧式救急車 約8600万円
EV救急車 約8100万円
特殊救急車II型
(スーパーアンビュランス)
約7900万円
高度救急救護車 約4282万円

乗りものニュース、OSAKAかなん議会ニュースを基に筆者作成
 
しかし、表1のような救急車はまだ、台数としては少ないのが実情です。
 
救護所としても使用できる特殊救急車II型(スーパーアンビュランス)は、2023年7月時点で、東京消防庁で1台、高度救急救護車は京都市消防局が保有しています。
 
令和5年4月時点での救急車の台数は、全国で6591台でした。このうち6479台が高規格救急車です。そのため、救急車の一般的な価格は、熊本市の約2900万円程度と考えられます。
 

救急車に搭載された医療設備とは?

救急車は、救急搬送するだけでなく、車内でできるだけの処置を続けながら患者を病院へ運ぶ使命があります。そのため、人命救助に必要となる以下のような特別な医療設備が搭載されているのです。

● 救急車の車内の装備
● 救急車に搭載する資器材
● 患者を移動させる資器材
● 呼吸管理における資器材
● 喀痰吸引器材
● AED など

救急隊は、搬送する病院へ症状を適切に伝え、受け入れ可否を待たなければなりません。そのため、痰などを吸引する資器材、血中の酸素濃度や血圧を測る機器などにより、応急処置をしたり症状を的確に判断したりするのです。
 
このようなことからも、救急車は車体だけでなく、車内に搭載する資器材にも高額な費用が必要であることが予想できます。
 

救急車の出動に年間どれくらい費用がかかっている?

救急車の出動には、1回当たり4万5000円が必要と言われています。総務省消防庁の「救急救助の現況」によると、令和4年の救急車出動件数は722万9572件でした。
 
表2

救急車出動の費用/回 出動件数 救急車出動の費用/年間
4万5000円 722万9572件 3253億3074万円

総務省消防庁 令和5年版 救急救助の現況 1救急編を基に筆者作成
 
救急車の出動回数は年々増加しており、その費用は、財政を圧迫します。また、出動回数が増えれば、緊急を要する患者のもとへ救急車が向かうのに時間がかかってしまうのです。
 
こういった状況を踏まえ、救える命を救うため軽傷の場合は救急車を有料とする取り組みを実施している自治体もあります。
 

今後は救急車が有料化する可能性も

救急車の利用はほとんどの自治体で無料ですが、救急車の活動は、私たちの税金で賄われています。
 
そのような状況の中、救急搬送後に入院しなければ患者から7700円を徴収している三重県松阪市では、出動件数が約22%減りました。しかし、その一方で、命の危機に救急車を呼ぶか否か悩むことに対し、危険視されていることも確かです。
 
現状の無料を継続するためには、限りある救急車の台数で、救命にあたれるようにしなければなりません。
 
大人が救急車を呼ぶか悩んだときは、余裕があるなら救急安心センター事業「#7119」に相談し、アドバイスをもらって判断することも大切です。
 

出典

熊本市コールセンター ひごまるコール
OSAKAかなん議会だより No.152
総務省消防庁 令和5年版 救急救助の現況 ⇒1救急編
乗りものニュース 救急車っていくら? 巨大な「スーパーアンビュランス」より高価な車両とは 価格を左右する“中身”
茨城県 緊急性認められない救急車搬送 7700円以上徴収へ
東海テレビ 必要な患者に救急車を···救急搬送で入院なし→「患者から7700円徴収」新制度1カ月で出動件数は“約22%減”
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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