車検で「3万5000円」払ったという夫。春に4万円ほど「自動車税」を払っていたのですが、なぜ2回も払うのでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月4日 2時20分
車は買う際の費用だけでなく、買った後の維持費が大きくかかってくるものです。全く車に乗っていなくても、保有しているだけでかかってくる税金が2種類あります。 車の維持に必要な「自動車税」と「自動車重量税」は、似たような名前ですが、課税時期をはじめ、税の性質に違いがあります。本記事では、2つの税金の違いについて解説します。
自動車税、自動車重量税とは
自動車税(軽自動車税)とは、自動車の排気量に応じて課税される地方税の一種です。乗用車の場合、車のエンジンの排気量500ccごとに課税額が変わってきます。
例えば、排気量2000ccの乗用車(新車登録が2019年9月30日以前)の場合、自動車税は年額3万9500円となり、軽自動車は一律1万800円となります。
一方、自動車重量税は、車の重量に対して課税される国税です。こちらは車の重量500キログラムごとに税額が変わってきます。例えば、車両重量1800キログラムの乗用車の場合、年間で1万6400円です。
自動車税と自動車重量税の違い
まず自動車にかかる2つの税金、自動車税と自動車重量税の大きな違いについて確認していきましょう。名前は似ているように感じられますが、全く違う税金として取り扱われています。
まず、「税金を納める先」が異なります。自動車重量税は国に納める国税であるのに対し、自動車税は都道府県に納める地方税です。納税する側としては同じ税金のように感じてしまいますが、実際のところは納める先が違うものになります。
ちなみに、自動車税は4月1日時点の所有者に納税義務があるため毎年5月に納め、自動車重量税は車検ごとに納めるというルールがそれぞれ定められているため、やや複雑に感じるかもしれません。
自動車税と自動車重量税、どのように使われるの?
前段で自動車税と自動車重量税は納める先が異なると説明しましたが、納められた税金はどのように使われているのでしょうか。ここではそれぞれの税金の用途(使い道)を解説します。
自動車税の使い道
自動車税については都道府県の一般財源として使われています。地域の教育や医療、警察や消防などの公共サービスに加えて、自治体に勤務している地方公務員や地方議員の給与など幅広い用途で使われています。
自動車重量税の使い道
かつて自動車重量税は「道路特定財源」として、道路の維持や整備費のために使われていました。しかし、2009年に「道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案」が成立したことにより、2008年度限りで道路特定財源制度は廃止され、自動車重量税は一般財源となりました。
一般財源とは、用途が特定されない財源のことを指し、どのような経費にも使うことができるものです。つまり、私たち自動車ユーザーが納めている自動車重量税は道路の整備以外の国の事業にも使われているということになります。
自動車税制の見直しが行われる可能性も
納める先が違うとは言え、自動車ユーザーが納めている2つの税金は、いずれも一般財源となっているため、道路の整備以外の用途にも使われています。
納め先が違えどユーザーにとっては二重課税に捉えられかねないこの状況について、2024年9月に一般社団法人日本自動車工業会が政府に対して「税制改正・予算に関する要望」の中で自動車税と自動車重量税を統合し、簡素化するように要望書を提出しています。
日本の主要産業である自動車産業の中にある一般社団法人がこのような声明を出したことにより、自動車関連税制に対する関心が高まっていると言えるでしょう。日本の翌年度の税制は12月中旬ごろに「税制改正大綱」として政府が公表しますので、注目していきたいポイントです。
まとめ
車は保有しているだけで、自動車税と自動車重量税の2つの税金がかかります。似たような名称でも納め先や用途が違うため、このような複雑な状況になっていると言えるでしょう。
今後の税制改正で自動車税の一本化が検討される流れもあるようですので、引き続き注目していきましょう。
出典
総務省 地方税制度 自動車税・軽自動車税
国税庁 No.7192 自動車重量税のあらまし
一般財団法人日本自動車工業会 令和7年度 税制改正・予算に関する要望
執筆者:宇野源一
AFP
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