仕事の満足度は「働きがい」で決まると話していた同僚。「まずは給料だろ」と思っていたのですが、私が少数派なのでしょうか…。
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月6日 2時30分
仕事の満足度について考えるとき、「働きがい」が大切だと話す人もいれば、「まずは給料だ」と考える人もいるでしょう。果たして、満足度を左右するのは「働きがい」なのでしょうか、それとも「給料」なのでしょうか。多くの人はどちらに重きを置いているのか、考えてみたいと思います。
職場での満足度
野村総合研究所(NRI)が2023年2月に全国の15~79歳の3617人を対象に調査を行い、その中で25~54歳の就労者、いわゆるプライムエイジ層の回答をもとに、働く人の現状や意識について分析しました。
現在の仕事に対して「とても満足」または「満足」と答えた人の割合を男女別で見ると、男性は41.5%、女性は45.6%で、性別による大きな差はありません。また、雇用形態別では、正社員の満足度は43.7%、非正規職は42.6%でした。
男性と女性の間で満足度にほとんど差がなく、また正社員と非正規社員でも同様に満足度が近い水準にあることから、性別や雇用形態が満足度に決定的な影響を与えるわけではないと考えられます。
つまり、仕事に対する満足度には、性別や雇用形態よりも他の要素、例えば仕事内容や職場環境、職場の人間関係などが影響している可能性があります。
仕事への満足度と仕事に関する考え方の関係性
仕事への満足度と考え方の関係について見てみると、表1の通りでした。
表1
考え方 | 今の仕事に満足している人の割合 |
---|---|
昇進や出世のためなら、多少辛くても我慢する | 61.5% |
仕事にやりがいがあれば、待遇や労働条件が多少悪くてもよい | 58.3% |
自分の能力や専門性を高め、社会に認められたい | 57.8% |
仕事は収入を得る手段に他ならない | 41.4% |
人並み程度の仕事をすればよい | 43.1% |
会社や仕事のことより、自分や家族を優先したい | 44.7% |
出典:野村総合研究所「日本人の生活に関するアンケート調査」より筆者作成
仕事への満足度はその人の仕事に対する考え方や姿勢に大きく影響されることが分かります。特に「昇進のために努力を惜しまない」「やりがいを重視する」「自身の能力を伸ばして社会に認められたい」といった積極的な考え方を持つ人ほど、仕事への満足度が高い傾向が見られました。
これに対して、「仕事は収入を得る手段と捉える」「最低限の働きで十分」「家族や自分のことを優先する」という姿勢を持つ人は、相対的に満足度が低い傾向があります。つまり、仕事への満足度を高めるためには、単に給料や待遇といった条件だけでなく、自分の価値観や仕事への取り組み方も大きな要因となることが考えられます。
仕事への満足度が高い職種
求人情報・転職サイトの「doda」がビジネスパーソン15000人を対象に実施したアンケートでは、仕事への満足度が高い職種が明らかになりました。総合満足度ランキングでは、1位が「財務」、2位が「基礎研究/先行開発/要素技術開発」(モノづくり系エンジニア)、3位が「学術/メディカルサイエンスリエゾン」(医療系専門職)でした。
それぞれの職種での満足度に関するコメントは以下の通りです。
1位「財務」:「業務を進める際に不満が少ない」「労働時間が短く、給与も悪くない」「自身の思ったとおりにでき、やりがいがある点に満足している」
2位「基礎研究/先行開発/要素技術開発」:「裁量が任されていて自由に仕事ができる」「自身の志向に合っているし権限も広い。給与がもう少し高ければ100点」「学会発表ができて、名前がネットに出るようになった」
3位「学術/メディカルサイエンスリエゾン」:「仕事量に見合った給与だと思う」「自分の資格を活かした業務をしているから」「有給休暇が取りやすい環境であり、シフトによりさらに休みが取得できる」
仕事の満足度に給料を求める人も少なくはない
仕事の満足度は、影響する要因として「給料」や「働きがい」のどちらに重点を置くかで異なります。調査によると、仕事の満足度は給料だけでなく、「働きがい」や自己成長の機会、仕事に対する裁量権といった要素にも影響されます。
「昇進のために多少辛くても我慢する」「やりがいがあれば待遇が多少悪くても良い」と考える人は満足度が高く、給料よりも自分の意欲や成長を重視している傾向があるのです。とはいえ、「まずは給料が重要」と考える人も多いため、あなたは少数派ではなく、他の多くの人と似た感覚を持っていると思われます。
出典
株式会社野村総合研究所 働く人の満足度につながるのは「働きやすさ」よりも「働きがい」
パーソルキャリア株式会社 doda 仕事満足度 職種ランキング最新版【総合】
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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