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「早期退職」が珍しい話ではなくなってきているようですが「退職者側」に「メリット」はあるのでしょうか? 早く退職する分、退職金も少なくなるのではと思ってしまいます…。

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月6日 9時10分

「早期退職」が珍しい話ではなくなってきているようですが「退職者側」に「メリット」はあるのでしょうか? 早く退職する分、退職金も少なくなるのではと思ってしまいます…。

ニュースでも見たり聞いたりすることが多くなった「早期退職」とはどのような制度なのでしょうか。そこで今回は、早期退職をするうえで、退職者側が得られる可能性のあるメリットやデメリットなど、早期退職の実態について詳しく解説します。

早期退職とは?

早期退職とは、定年を迎える前に従業員が退職できる制度です。早期退職には、従業員が選択した年齢で希望して早期退職できる「選択定年制度」と、業績悪化などにより企業が早期退職希望者を募集する「早期希望退職制度」の2種類があります。
 
早期退職が始まった理由として、「終身雇用の衰退」があるともいわれています。人員整理により人件費の削減ができるだけでなく、高齢の社員が退職することで新しい人材の登用が進み、組織の若返りに期待できるのです。
 
また、早期退職の実施により、従業員のキャリア形成支援に取り組む積極的な企業として評価を受ければ、企業のイメージアップにもつながる可能性があります。
 
東京商工リサーチの調査によると、2024年1月から9月の間に早期・希望退職募集を行った上場企業は46社であり、前年同期の1.5倍(30社)でした。
 

退職者側が受ける早期退職のメリット

早期退職で受けられるメリットは「退職金の優遇」だと考えられます。一般的に、定年でもらえる予定の退職金に一定額を加えて支給されることが多いためです。
 
人事院がまとめた「令和3年民間企業の勤務条件制度等調査(民間企業退職給付調査)」によると、企業規模が1000人以上の場合、退職金の年齢別平均割増率は45歳が95.0%、50歳は65.7%、55歳は47.9%という結果でした。
 
また、退職金を上乗せしてもらうことで金銭的な余裕が生まれ、別の道へ進むためのセカンドキャリアを後押しするきっかけになることもあるでしょう。
 

退職者側が受ける早期退職のデメリット

早期退職の一番のデメリットは、職を失うため、給与収入がなくなることだと考えられます。条件に合った転職先がすぐに決まるとは限らないため、退職後の準備をしてから早期退職を進めるのがよいでしょう。また、会社の社宅に住んでいる場合には引っ越しが必要です。
 
また、早期退職による退職金の割増が思ったよりも少ないというケースも珍しくないようです。退職金の割増だけをあてにせず、退職後の見通しまで立てることが大切です。
 

早期退職で退職金は増える可能性があるが、注意が必要

セカンドキャリアへ踏み出したい場合に後押ししてくれる可能性のある早期退職制度は、退職金の割増にも期待できるため、多くの方が活用するようになりました。しかし、あらかじめ見通しをつけて慎重に行動しなければ失敗する恐れがあります。
 
早期退職は、計画を立てて進めましょう。
 

出典

株式会社東京商工リサーチ 上場企業の「早期退職」募集 46社 人数は前年同期の約4倍 複数回募集が増加、対象年齢は30歳以上など引き下げ傾向
人事院  令和3年民間企業の勤務条件制度等調査(民間企業退職給付調査)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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