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月極駐車場代「月2000円」の値上げを言い渡されました。家賃の場合は「拒否できる」と聞いたのですが、駐車場でも断ることはできるでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月7日 4時20分

月極駐車場代「月2000円」の値上げを言い渡されました。家賃の場合は「拒否できる」と聞いたのですが、駐車場でも断ることはできるでしょうか?

物価上昇で生活が苦しい中、月極駐車場の値上げ通知が来た場合、驚く人は多いでしょう。家賃の場合は「借地借家法」によって値上げには双方の同意が必要となりますが、駐車場の場合はどうなるのか、気になる人も多いかもしれません。   月極駐車場の更新時に月2000円の値上げを言い渡されたら、素直に応じなければいけないのでしょうか。本記事では、駐車場の値上げ通知を受けた際の対応を見ていきましょう。

家賃の場合は借地借家法により一方的な値上げはできない

「住宅賃料の値上げは拒否できる」といわれるのは、「借地借家法」において、借主側が強く保護されているからです。
 
借地借家法第32条では、「周辺の不動産価格が上昇した場合」などの正当な理由があり、かつ双方の合意があった場合に家賃を値上げできるとしています。つまり、一方的に家賃の値上げを要求されても断れる仕組みがあるのです。
 
家賃の値上げに同意しないことを理由に立ち退きを求める、更新を拒むということもできません(ただし、定期借家契約の場合はこの限りではありません)。
 
なお、借主が裁判所に調停の申し立てを行い、家賃の値上げが妥当と認められた場合は当然受け入れなければいけません。「家賃の値上げを拒否できる」とは言われているものの、むやみに拒むのではなく、家賃の値上げが相当と思われる客観的な根拠の提示を求め、納得できるように話し合うことが大切です。
 

駐車場には「借地借家法」が適用されない! 交渉のために必要なことは?

一方、駐車場の月極契約において、借主は借地借家法による保護を受けられません。したがって、駐車場の値上げに対して住宅のように争うことは難しいのです。
 
契約途中での契約解除に関しては、契約書に記載があるはずで、途中で一方的に契約を解除できる定めがない限りは、契約期間満了までは従来の金額で借りる権利はあるでしょう。
 
しかし、契約更新時に「賃料の値上げに応じなければ契約を更新しない」と言われた場合、そのまま契約解除となってしまいます。双方に契約を更新する自由があるというわけです。
 
こういった駐車場代の値上げ要求に直面した場合、拒否はできませんが、交渉の余地はあるはずです。もちろん、「値下げを求めるだけ」では交渉にならないため、前もって準備をしなければなりません。
 
すべきことは、周辺駐車場の相場や空き状況の調査です。近隣の駐車場料金よりも値上げ後の料金が高い場合や、空きが多い場合は、その事実をもって交渉に臨みましょう。ほかの駐車場への借り換えを検討していることを伝えても良いかもしれません。
 
自分が契約を解除した後に、空いたスペースが埋まる見込みがないとなれば、貸主側も値上げとそれに伴う契約解除に慎重となり、値上げ要求の撤回や値上げ幅の縮小がかなうかもしれません。
 
値上げ後の賃料が妥当である場合や、契約解除後に借り換えられる駐車場が見つからない場合は、貸主の要求を飲むことになりますが、何もせずに値上げを受け入れるよりは納得しやすいのではないでしょうか。
 

家賃と駐車場代の違いを理解し、柔軟に対応を

家賃と駐車場代では法的保護の内容が大きく異なるため、対応方法も変わってきます。家賃については借地借家法が適用され、値上げを拒むこともでき、一方的な立ち退きや更新拒否を強いられることもありません。一方、駐車場の場合は法律による借主の保護は弱く、契約内容に沿った対応が求められます。
 
駐車場代の値上げ通知を受け取った際は、焦らずに契約内容や周辺相場を確認し、必要であれば冷静に交渉を行いましょう。借り換えも視野に入れつつ、最適な選択肢を見つけることが大切です。
 

出典

e-Gov法令検索 借地借家法
賃貸借トラブルに係る相談対応研究会 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版)
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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