これまで大きな病気をしたことがない「30代の独身」です。友人から「民間の保険」に加入するよう勧められました。同年代での「加入率」はどのくらいなのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月7日 2時30分
30代独身で健康に問題がないと民間医療保険に加入する必要性を感じない方も多いことでしょう。高額医療制度など公的医療保険も充実している中で、30代で民間医療保険に加入している割合は約7割となっています。 多くの方が民間医療保険に加入している理由や民間保険の必要性について調べました。民間保険の加入を勧められて迷っている方は本記事を参考にしてください。
30代の民間保険の加入割合と入院事情
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、2022年の民間生命保険の加入率は、30代男性は72.0%、30代女性は68.6%となっています。30代男女の約7割が民間保険に加入している背景について、過去の入院経験や入院により失った収入について年齢別にみていきましょう。
70代で約3割にのぼる「過去5年間の入院経験」
性別・年齢別の過去5年間のけがや病気(正常な妊娠や分娩は除く)での入院経験の割合は、表1の通りです。「入院経験あり」の割合は全体で16.7%と、年齢層が上がるほど高くなっています。
表1
全体 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
入院経験あり | 16.7% | 9.9% | 8.9% | 10.9% | 15.0% | 20.2% | 29.1% |
入院経験なし | 83.2% | 89.9% | 91.1% | 89.1% | 85.0% | 79.7% | 70.8% |
※生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」を基に筆者作成
表1から、過去5年間の入院経験者は20~30代は1割未満に対し、40~60代は1~2割に上昇し、70代においては約3割にのぼります。実際に、入院すると仕事を休まざるを得なくなり、想定外に出費がかさむものです。そのため、入院時の経済的なリスクを考慮しておく必要があります。
40歳代に多い「入院時の逸失収入」
突然の事故や病気などで仕事を休むことになり、収入を得る機会を失うことを逸失(いっしつ)収入といいます。
入院経験がある直近の入院における自己負担費用と逸失収入の総額は平均26万8000円で、「10~20万円未満」が32.0%、「5~10万円未満」が23.3%、「20~30万円未満」が13.7%となっています。
実際に、過去5年間の入院において逸失収入があった割合は全体17.4%で、年齢別にみると40歳代で高くなっています。過去5年間に入院した人の、直近入院時における逸失収入の有無を表2にまとめました。
表2
全体 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
逸失収入あり | 17.4% | 9.1% | 15.8% | 26.3% | 22.3% | 17.6% | 13.8% |
逸失収入なし | 62.7% | 70.5% | 70.2% | 49.5% | 57.7% | 59.9% | 68.5% |
※生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」を基に筆者作成
健康状態が良好な30代で民間保険へ加入することは、経済的なリスクへの備えとなる可能性があります。
民間保険の必要性
医療保険には、国の社会保険制度として加入が必須の「公的医療保険」と任意加入の「民間医療保険」の2種類があります。「公的医療保険」は、病院での自己負担額が原則1~3割のほか、「高額療養費制度」「傷病手当金」などの制度も充実しています。
しかし、先進医療など保険適用外の治療、差額ベッド代、長期入院の場合は食事代の一部など、公的医療保険が適用されない場合もあるため、注意が必要です。公的医療保険が適用されない費用は、貯蓄から支払うか民間医療保険で補てんする必要があります。
民間保険の必要性が高いケースは、以下の通りです。
●入院時に手厚い医療を受けたい
●貯蓄額に不安がある
●家族がいる
30代で民間保険に加入するメリット
30代で民間保険に加入するメリットは以下の通りです。
●月々の保険料負担が安い
●入院時の経済的負担の軽減
●治療の選択肢が広がる
民間保険は、若いうちに加入すると月々の保険料が安くおさえられる傾向があります。また、病気になってしまうと保険に加入できない可能性があるため、注意が必要です。特に、結婚などのライフステージが変化した際は、家族の経済的負担軽減のためにも、民間保険の加入を検討するとよいでしょう。
30代の民間保険の加入割合は男女ともに約7割
保険会社などが販売する任意加入の民間保険の加入率は、30代の男女ともに約7割となっています。民間の医療保険は、加入時の年齢が高いと保険料も高くなる傾向があるため、ご自身やご家族が健康な30代のうちに多くの方が民間保険へ加入しています。
公的な医療保険ではカバーできない病気やけがに備えて、経済的な不安を抱えている方は、将来を見据えて民間の保険に加入すると安心できる可能性があります。30代独身でこれまで大きな病気をしたことがない場合も、年齢とともに高まる病気やけがのリスクへ備えましょう。
出典
生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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