「子育て支援金は独身税」って本当ですか? 子どもが独立した私は対象になるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月7日 23時20分
少子高齢化が急速に進んでいる日本では、子育て支援の拡充が急務です。 安心して子育てできる環境を整備するための施策として「子育て支援金」がありますが、実質的な増税という声が上がっています。本記事では、子育て支援金の概要について解説します。
「実質増税」子育て支援金とは
子ども・子育て支援金制度は、日本の少子化対策として設けられた制度です。社会全体でこども・子育て世帯を応援していくため、児童手当の拡充や教育費の負担軽減をはじめとした給付の拡充を目的としています。
財源の一部として、「子ども・子育て支援金」が充てられますが、この支援金は社会保険料に上乗せされる形で調達されます(2026年から徴収開始)。
また、安定財源が確保されるまでの間は、「子ども・子育て支援特例公債」が発行され、償還財源としても支援金が充当される予定です。「子ども・子育て支援金」は少子化対策のための特定財源で、以下の用途で使われることとなっています。
●児童手当の抜本的な拡充
所得制限を撤廃、高校生年代まで延長、第3子以降は3万円に増額
●妊婦のための支援給付(出産・子育て応援交付金)
妊娠・出産時に10万円の経済支援(令和7年4月から制度化)
●乳児等のための支援給付(こども誰でも通園制度)
月一定時間までの枠内で、時間単位等で柔軟に通園が可能な仕組みの創設(令和8年4月から給付化)
●出生後休業支援給付(育休給付率の手取り10割相当の実現)
子の出生後の一定期間に男女で育休を取得した場合に、育児休業給付とあわせて最大28日間手取り10割相当となるよう給付の創設(令和7年4月から)
●育児時短就業給付(育児期の時短勤務の支援)
2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている場合に、時短勤務中に支払われた賃金額の10%を支給(令和7年4月から)
●国民年金第1号被保険者の育児期間に係る保険料の免除措置
自営業やフリーランス等の国民年金第1号被保険者について、その子が1歳になるまでの期間の国民年金保険料を免除(令和8年10月から)
(※こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」より引用)
支援金制度の恩恵を受けられるのは子育て世帯に限られるため、「独身税」とも呼ばれています。「子ども・子育て支援金」はすべての公的医療保険加入者が負担するものの、独身者は恩恵を受けられないため、不公平と感じている人もいるようです。
子育て支援金は独身税? ベストな「子育て終了世代」の受け止め方
独身者だけでなく、すでに子育てが終了した世帯も、子育て支援金による給付を受けられません。心理的に、「もっと早く支援制度を創設してくれれば」という気持ちになるのは致し方ないでしょう。
不公平を感じるのは、確かです。しかし、すでに子育てが終了した人は教育費の負担がなくなり、ある程度、家計にゆとりが生まれると考えられるでしょう。
少子高齢化に歯止めがかからなければ、人口減少に歯止めがかからず、国力が失われてしまいます。また、若い世代が少なくなると社会保険制度の維持も難しくなるでしょう。
実際に、社会保険料の負担は増加しており、後期高齢者医療制度でも窓口負担割合の引き上げが行われています。そこで、社会全体で少子化対策の必要性を認識しなければなりません。
独身世帯や子育てが終了した世帯は、「社会保険制度を維持し、自分の生活を守るため」という意識を持つと、ある程度は腹落ちできるのではないでしょうか。
まとめ
「子育て支援金は独身税」は、結果として独身者や子育てが終了した世帯にとって、負担だけが増える仕組みといえます。不公平と感じてしまうのは致し方ないでしょう。
しかし、将来にわたって社会保険制度を維持するためには少子化に歯止めをかける必要があります。短期的には損をしても、長期的に見ればプラスになると捉えましょう。
出典
子ども家庭庁 子ども・子育て支援金制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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