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大学生の息子に「年金保険料を払ってほしい」と言われました。正直家計が厳しいのですが、節税で「6万円」浮くと聞きましたし、親が払うべきでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月8日 4時20分

大学生の息子に「年金保険料を払ってほしい」と言われました。正直家計が厳しいのですが、節税で「6万円」浮くと聞きましたし、親が払うべきでしょうか?

日本に住む20歳以上60歳未満の全ての人は、国民年金へ加入しなければなりません。とはいえ、年金保険料は決して安くはなく、特に学生にとっては毎月の負担が重い場合も多いでしょう。   そのような中、大学生の息子から「年金保険料を払ってほしい」と依頼された場合、どうすれば良いのでしょうか? 本記事で解説します。

国民年金とは? 支払い義務や保険料について

国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する公的年金です。大学生の場合でも、20歳以上であれば第1号被保険者に該当し、原則として自身で保険料を納める義務があります。
 
なお、国民年金の保険料は月額で1万6980円(2024年度)です。多くの大学生にとってはこの金額は大きな負担と言えるでしょう。
 

国民年金未納のリスク

大学生で支払いが厳しいからといって、国民年金保険料を未納のままにすると、さまざまなリスクがあります。
 
例えば、老後に老齢基礎年金を受給するためには、10年以上の受給資格期間が必要です。未納期間は受給資格期間に含まれませんので、未納期間が長いと、将来的に年金を受け取れない可能性があります。
 
また、国民年金保険料を支払っていれば、けがや病気で障害を負った場合は障害年金、死亡した場合は遺族が遺族年金を受け取れますが、未納であれば受け取れません。
 

息子の国民年金保険料を負担するとどれくらい親の節税になる?

息子が国民年金の未納状態になるリスクを回避するために、親が国民年金保険料を負担した場合、親にとっても節税のメリットがあります。
 
具体的には、子どもの国民年金保険料を負担すると、負担した保険料の全額を社会保険料控除として親の所得から差し引くことが可能です。
 
例えば、自分の所得が400万円の場合、所得税率は20%、住民税率は10%です。そして、支払う保険料は月額1万6980円ですので、年間では20万3760円です。
 
この場合、節税額は20万3760円×30%(所得税+住民税)で6万1128円となります。
 

節税になるものの、自分たちの家計も大事

節税効果があるとはいえ、自分たちの家計が厳しい中での負担は慎重に検討すべきです。無理をして支払うことで、家計にさらなる負担をかける可能性があります。
 
一方、息子が将来的に年金を受け取れないリスクを避けるためにも、国民年金は未納ではなく、何らかの対策が必要です。
 
例えば、学生納付特例制度の活用が挙げられます。学生納付特例を受けようとする年度の前年の所得が一定以下であれば、ほとんどの学生がこの制度の活用が可能です。
 
学生納付特例制度を活用している期間については、老齢基礎年金の受給資格期間に含まれ、障害や死亡といった不慮の事態が生じた場合でも条件を満たせば障害基礎年金や遺族基礎年金が支給されます。
 
なお、学生納付特例制度を活用している期間は受給資格期間には含まれるものの、老齢基礎年金の額の計算の対象となる期間には含まれません。満額に近づけるためには、10年以内であれば追納という形でさかのぼって保険料を納付することが可能です。
 
ほかにも、国民年金保険料はまとめて前払い(前納)することで保険料が安くなります。息子の保険料を負担する場合、前払いを検討しても良いでしょう。
 

まとめ

大学生の息子の国民年金保険料を負担すると、年間数万円程度の節税効果が期待できます。とはいえ、自身の家計の状況も考慮したいところです。
 
無理のない範囲で支援を検討し、難しい場合は学生納付特例制度などの活用を子どもと一緒に検討してみましょう。
 

出典

日本年金機構 公的年金制度の種類と加入する制度
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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