1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

高校2年生の娘がいます。将来、語学を生かした仕事に就きたいと言っているのですが、専門学校と大学、どちらがいいでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月11日 4時50分

高校2年生の娘がいます。将来、語学を生かした仕事に就きたいと言っているのですが、専門学校と大学、どちらがいいでしょうか?

専門学校と大学とでは、どのような違いがあるのか解説します。進路選択の参考にしてください。

専門学校の受験料・学費、選抜方法

専門学校(専修学校専門課程)は、都道府県知事の認可を受けた学校です。専門的な職業教育を行っていても、公的な認可を受けていない学校(無認可の教育施設)の場合は、在学中や卒業の扱いなどが異なります。
 
例えば、専門学校では日本学生支援機構の奨学金を利用できますが、無認可の教育施設では利用できません。無認可の教育施設を卒業しても、学歴は「高卒」です。
 
専門学校は、ほとんどが私立です。工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養という8つの分野があります。修業年数は最も多いのが2年制ですが、1年制、3年制、4年制もあります。看護や理学療法・作業療法など、医療分野の学科は3年制以上です。
 
大学と違い、教養科目が少なく、8割程度が専門科目です。時間割も決まっており、自由に授業を組むことができません。
 
受験料は2万円が目安ですが、学費は分野・学科により差があります。文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、私立高等専門学校で令和5年度の初年度納付金の平均額は約128万円です。
 
また、東京都専修学校各種学校協会調査統計部調べによると、理学療法・作業療法が約183万円、製菓が約172万円と高くなっています。
 
専門学校では職業に直結した技術等を学ぶため、実習費や材料費などの諸経費も結構かかります。例えば、理容・美容であればハサミ一式など数十万円かかる場合があります。
 
選抜の方法は、大学と同じく「AO入試」「推薦入試」「一般入試」があります。一般入試は、書類選考のみ合否が決まる学校もあり、この場合は専門学校では学ぶ意欲があれば入学できます。
 
ただし、医療系や4年制の学科には学力試験を課す場合が多く、スポーツ系や美術系、保育系などには実技試験が課されます。また、「一般入学」の願書受付も11月1日以降(東京都の場合)と大学よりも早くなっています。
 

大学の受験料・学費、選抜方法

文部科学省の「令和5年度 学校基本統計」によると、大学の学校数は国立大86校、公立大学102校、私立大学622校あります(令和5年度)。国公立大学を受験する場合、受験料の目安は、大学入学共通テストが1万8000円(3教科受験)または1万2000円(2教科受験)、2次試験が1万7000円ですので、最大3万5000円かかります。
 
私立大学では、1学科あたり3~3万5000円程度(医学部6万円程度)となっています。
 
また、文部科学省の「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査」によると、令和5年度の初年度納付金(入学金・授業料・施設設備費)は、国立大約82万円、公立大約91万円、私立大約137万円となっています。私立大の学費は、学校や分野によって大きく異なるのが特徴です。
 
私立大の初年度納付金は、文科系学部は約119万円、理科系学部は約153万円、医歯系学部は約482万円です。実験実習費などを含んだ総計は、文科系学部は約128万円、理科系学部は約161万円、医歯系学部は約629万円です。
 
選抜の方法は、「総合型選抜」「学校推薦型選抜」「一般選抜」があります。出願受付開始は「総合型選抜」が9月1日以降、「学校推薦型選抜」が11月1日以降、「一般選抜」が1月下旬以降です。なお、大学入学共通テストの出願は9月中旬~10月上旬となります。
 

専門学校から大学への編入、大学院への進学も

専門学校で学んだことをもっと深く勉強したい、中学校や高校の教員免許を取得したいといった場合、大学や大学院への進学が可能です。2年制以上の学科を一定の条件を満たして修了すれば、「専門士」の称号が付与されます。4年制では「高度専門士」の称号が付与されます。
 
「専門士」は大学2年次や3年次への編入資格、「高度専門士」は大学院の入学資格となります。学校基本調査(令和5年度)を見ると、専門学校から大学への編入者数は1633人(国立178人、公立69人、私立1386人)となっています。
 
編入の多い学部は、外国学部(169人)、経営学部(109名)、工学部(86名)、社会福祉学部(64名)、経済学部(63名)、文学部(59名)、法学部(32名)などです。編入学の試験日程は、大学によって大きく異なります。編入学の募集を行わない年もあります。事前に募集要項や志望大学のウェブサイトで確認しましょう。
 
編入学の募集人数は、若干名です。編入学試験は、一般的に「英語」「小論文(専門科目)」「面接」の3科目が課されます。倍率は、国公立大学で3~4倍、私立大学で1.5~2倍程度です。
 
編入は狭き門ですが、大学の一般選抜に比べて少ない科目で受験できます。特に、国公立大学に編入する場合、大学入学共通テスト(5教科7科目)を受験する必要もありませんのでメリットが大きいといえます。
 

まとめ

目指す職業や資格がはっきりしていれば、大学よりも専門学校に進学することによって早く社会人になり、専門知識を生かすことができます。また、専門知識を深めたければ、大学への編入や大学院への進学も可能です。
 
冒頭のご相談のように「語学を生かした仕事に就きたい」などという希望があるのでしたら、専門学校も進学先の選択肢として考えておいてもいいでしょう。
 

出典

文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
公益財団法人東京都専修学校各種学校協会 気になるお金のこと 学費・生活費
文部科学省 令和5年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値を公表します。
文部科学省 専門士・高度専門士の称号とは
文部科学省 学校基本調査 令和5年度 表番号17 学部別 編入学者数(6-3)
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください