2025年に「運転免許証」が「マイナンバーカード」と一体になると聞きました。これまでの免許証は使えなくなりますか?「マイナ免許証」には、なにかメリットはあるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月12日 2時20分
2024年12月2日から、既存の健康保険証からマイナンバーカードと健康保険証が一体となった「マイナ保険証」への移行が原則となりますが、政府は2025年3月24日から運転免許証も一体化する「マイナ免許証」の運用を始めると発表しました。 従来の免許証と比べると交付手数料が安くなるなどのメリットがありますが、デメリットや注意点はあるのでしょうか? 今後はマイナ免許証に切り替えるべきなのか、それともしばらく従来の免許証のままでいいのかも含めて解説します。
従来の免許証は使えなくなる?
結論から言えば、2025年3月24日以降も従来の免許証は使用できます。マイナ保険証は12月2日から現行の健康保険証の新規発行が終了しますが、免許証は当面「2つの免許証が存在する形」となり、下記のいずれかを選択できます。
・引き続き従来の免許証を使用する
・マイナ免許証に切り替える
・従来の免許証とマイナ免許証を「2枚持ち」する
マイナ免許証の発行手続きをしなくても、従来の免許証が無効となり自動車やバイクなどの運転ができなくなるわけではないので安心してください。
マイナ免許証を選ぶメリット
マイナ免許証に変えると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
手続きが便利になる
引っ越しや結婚などで住所や氏名が変わると、現在は自治体で転入や氏名変更の手続きをしたうえで最寄りの警察署や運転免許センターでも手続きをしなければなりません。それがマイナ免許証になると自治体での手続きのみとなるため、警察署や運転免許センターへ行く手間が省けます。
何度も手続きするのは面倒、基本的に各窓口が開いている平日は仕事が忙しく土日は混雑して時間がかかるといった場合は助かるでしょう。
交付手数料が安くなる
マイナ免許証の導入で、免許証の取得や更新にかかる「手数料の見直し」もされる予定です。現在は免許証を更新すると2500円の更新手数料がかかります。これが改正後は2850円となり350円値上げされます。新規取得時にかかる手数料も2050円から2350円となります。
一方、マイナ免許証は更新時2100円、新規取得時1550円となり、それぞれ400円と500円の値下げとなる形です。免許証の取得や更新にかかる手数料負担を少しでも抑えるためマイナ免許証を選ぶ人も増えるかもしれません。
また、マイナ免許証にすると更新の際の優良運転者と一般運転者の講習はオンラインでも受講可能となり、その際の更新時講習手数料は200円と、今より300円以上安くなるのも見逃せないポイントです。
マイナ免許証を選ぶデメリットや注意点
手続きが便利になり手数料負担が抑えられるメリットはありますが、マイナ免許証にするデメリットや注意点はあるのでしょうか。
紛失するとしばらく運転できない
従来の免許証であれば、紛失してしまった場合でも運転免許センターで手続きすると即日発行されますが、マイナ免許証の場合は紛失すると再発行に時間がかかり、長期間運転できなくなる可能性があります。
マイナンバーカードの再発行手続きをする必要があり、手元にカードが届くまでに1ヶ月半程度かかることもあるので注意してください。
有効期限を確認しにくい
現在は免許証の表面を見れば有効期限をすぐに確認できますが、マイナ免許証になるとすぐに分からないのもデメリットと言えるかもしれません。
マイナンバーカード自体の有効期限は記載されていますが、免許証の有効期限は記載されないため、「うっかり失効する」おそれもあります。特に引っ越しで住所が変わった場合はマイナンバーカードの手続きも忘れずに行いましょう。
情報漏洩や悪用リスクもある
マイナンバーカードの個人情報の紐づけミスなどの話題をニュースやSNSなどで見たことがある人も多いかもしれませんが、紛失や盗難、自治体による情報管理ミスなどによって悪用される可能性もゼロではありません。個人では管理しきれない部分もあるだけに、心配な場合はしばらく従来の免許証を持ち続けて様子を見るのも良いかもしれません。
まとめ
本記事では、2025年に運用が予定されているマイナ免許証のメリット・デメリットとともに、従来の免許証は今後も使用できるのか解説しました。
手続きの手間が減り、各種手数料が安くなるのはうれしいですが、個人情報や有効期限の管理などデメリットが考えられるのも事実です。自分自身はどの部分を重視するのか考えたうえで選択していきましょう。
出典
警察庁「道路交通法の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令案」等に対する意見の募集について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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