医療費が「10万円以下」と言っていた友人が「医療費控除」を受けていました。私も受けられるでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月12日 6時10分
医療費控除は、1年間で医療費が一定の額を超えた場合に所得金額から控除が受けられる制度です。控除を受けるには、翌年の確定申告が必要です。医療費控除は、医療費を10万円以上支払った場合に受けられるというイメージがありますが、医療費が10万円に満たなくても控除を受けることができるケースもあります。 今回は医療費控除について詳しく解説します。
医療費が「10万円以下」でも医療費控除が受けられるケースとは
国税庁によれば、医療費控除の対象となるのは、「(実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額)-10万円」で計算された金額で、最高で200万円までです。
ただし、年間の総所得金額等が200万円未満の方は、10万円以上の医療費を支払っていなくても、総所得金額等の5%を超えると医療費控除を受けることができます。その場合の計算式は、「(実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額)-総所得金額等の5%」です。
上述の計算式を基にして年間の総所得金額が70万円の方を例に、どのくらい控除が受けられるのかを解説します。
年間の総所得金額が70万円で、医療費を1年間で5万円支払ったとします。保険金などで補てんされる金額がなかった場合、医療費控除の対象となる金額は「(実際に支払った医療費5万円)-(総所得金額70万円×5%)=1万5000円」です。
また、家族と生計を一にしていれば、自分の医療費に加えて家族の医療費も合算することができます。家族内でも医療費を支払っている場合は、さらに多くの控除を受けられるでしょう。
医療費控除の対象となる医療費
国税庁によれば、以下の項目も医療費控除の対象となります。
●歯の治療費
●あん摩マッサージ指圧師、きゅう師、はり師による施術で支払ったもの
●治療または療養に必要な薬代
●通院のための交通費
●医療用器具などの購入費
●入院時にかかった費用(診療代、食事代、部屋代など)
●妊婦検診や助産師による分べん介助料などの妊娠や出産に関する費用
コルセットなどの医療用器具の購入や通院にかかる交通費も医療費控除の対象です。しかし、付添人の交通費やタクシー代、自家用車で通院する場合のガソリン代などは基本的に対象外となります。対象となる項目について、事前に確認しておきましょう。
交通費や医療用器具の購入を含めて申請する場合には、領収書やレシートが必要です。確定申告するまでは捨てないようにしましょう。
セルフメディケーション税制
医療費控除の特例として、セルフメディケーション税制というものもあります。これは、1年間で本人または本人と生計を一にする家族のために特定一般用医薬品等の購入で、保険金などで補てんされる金額を除いて1万2000円以上支払った場合に、最高で8万8000円まで所得金額から控除されるという制度です。
セルフメディケーション税制の適用を受けようとする年に、健康の保持増進および疾病の予防への一定の取り組み(健康診査や予防接種など)を行っていることが条件です。
対象となる特定一般用医薬品等については、購入した際の領収書や、厚生労働省のホームページなどで確認することができます。セルフメディケーション税制の適用を考えている場合は、対象の医薬品を確認してから購入しましょう。ただし、前章で解説した医療費控除との併用はできない点に注意が必要です。
医療費が「10万円以下」でも医療費控除を受けられるケースはある
医療費控除は、1年間における医療費が一定の額を超えた場合に所得金額から控除が受けられる制度です。年間の総所得金額等が200万円未満の場合は、医療費が10万円以下であっても医療費控除が受けられるケースがあるため、確認しておきましょう。
医療費控除を受ける際には翌年の確定申告が必要です。申告できる期間は1ヶ月程度しかないため、対象となる場合は忘れずに手続きをすることが大切です。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1122 医療費控除の対象となる医療費
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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