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裁判所から「名簿記載通知」が届いたら、 必ず裁判に参加しないといけないのでしょうか? 手当などは出ますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月12日 10時10分

裁判所から「名簿記載通知」が届いたら、 必ず裁判に参加しないといけないのでしょうか? 手当などは出ますか?

「裁判員制度」という言葉は聞いたことがあっても、実際にはどのような制度なのか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。裁判員は、有権者であれば誰でも選ばれる可能性があります。   本記事では、裁判員制度について詳しく解説します。「名簿記載通知」が届いたらどのようにすればよいかなども解説するため、参考にしてください。

裁判員制度とは

裁判員制度とは、2009年5月に始まった、国民の中から選ばれた裁判員が裁判に参加する制度です。原則として、裁判官が3名、裁判員が6名で裁判が行われます。裁判には、民事裁判、刑事裁判、少年審判、家事裁判などさまざまな種類がありますが、裁判員裁判が導入されているのは、刑事裁判のみです。
 
刑事裁判では、詐欺や窃盗、傷害などの罪を犯した疑いで起訴された人を対象に、有罪か無罪かを決め、有罪の場合はどのような刑罰を科すかを決めます。なお、刑事裁判では、起訴する側である検察官と、起訴された側である被告人やその弁護人の発言や提出される証拠を調べて判決をします。
 

裁判員はどのように選ばれるの?

裁判員は、18歳以上の有権者のなかから毎年くじで候補者が選ばれます。そして、事件ごとに裁判所での選任手続があり、原則6名の裁判員が選ばれ、裁判に参加する仕組みです。
 
なお、制度がスタートした2009年5月21日から2024年8月末までに、裁判員として刑事裁判に参加したのは、9万4819人とされており、裁判員裁判によって1万6424人の被告人に判決が言い渡されています。
 

裁判員候補者に選ばれたら

翌年の裁判員候補に選ばれた場合、前年の11月に裁判員候補の名簿に登録されたことを通知する「名簿記載通知」が届きます。通知とともに送られてくる調査票に記載の内容を確認し、該当項目のある方は必要事項を記入して、裁判所へ返送しましょう。
 
調査書で確認される内容は、警察官や自衛官をはじめとした裁判員を受けられない職業についていないか、辞退を希望する場合の理由などです。
 
なお、名簿記載通知が届いた時点で、裁判への参加が確定したわけではありません。翌年2月頃から約1年の間に実施される裁判員裁判において、審理の日程が決まった事件ごとに候補者のなから裁判員候補者が選定されます。
 
裁判員に選ばれた際の注意点として、選ばれたことを口外するのは法律で禁止されているため、公にしないよう注意してください。
 

裁判員に手当や報酬はあるの?

裁判員に選ばれた場合、裁判に参加するために仕事を休んだり、家庭の都合を調整したりしなければいけない人も少なくないでしょう。なお、裁判員に選ばれた場合、仕事で必要な休みを取得するのは、法律で認められています。また、裁判員として仕事を休んだ人を、解雇するのは法律で禁止されています。
 
先ほど、裁判員に選ばれたことは公にしてはいけないと解説しましたが、これはあくまでSNS・ブログ・ホームページなどで不特定多数の人に知られるような発言をしてはいけないというものです。そのため、会社に「裁判員に選ばれたため、休暇を取得したい」と申し出ることには問題はありません。
 
しかし、有給休暇を取得できない雇用形態の方や、有給休暇の日数が足りない方は、休んだ分の給与が支給されず困るという場合もあるでしょう。「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」の第11条には、「裁判員及び補充裁判員には、最高裁判所規則で定めるところにより、旅費、日当及び宿泊料を支給する」と記載されています。
 
これにのっとり、支給される日当は、裁判員候補者には1日あたり8000円以内、裁判員及び補充裁判員に選ばれた場合は、1日あたり1万円以内で選任手続や審理などの時間に応じて支払われます。ただし、午前中で裁判が終了した場合には、日当が減額する可能性があるため、注意しましょう。
 
また、宿泊が必要と判断された場合は、日当とは別に8000円前後の宿泊費用も支給されます。なお日当などは、現金支給ではなく、事前に伝えた預貯金口座への振り込みです。
 

名簿記載通知が届いたら、必要な対応をしましょう

原則、名簿記載通知が届いたら裁判員を拒否することはできません。しかし、何らかの理由により辞退を希望する場合は、調査書に必要事項を記載して裁判所に提出してください。
 
また、実際に参加する裁判が決まった際は、休む理由を会社に伝えても問題ないので、休暇申請をして裁判に参加できるよう調整しましょう。
 

出典

裁判員制度 裁判所から「名簿記載通知」が届いたら。 | 政府広報オンライン
政府広報オンライン
裁判員制度 最高裁判所
裁判員休暇制度を導入しましょう 厚生労働省
Q15  交通費や昼食代などは支給されますか? | 法務省ホームページ
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 | e-Gov 法令検索
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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