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我が家にはタンス預金が「300万円」あります。このまま持っていると不安なので夫の口座に入れようと思うのですが、問題ないでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月13日 5時40分

我が家にはタンス預金が「300万円」あります。このまま持っていると不安なので夫の口座に入れようと思うのですが、問題ないでしょうか?

もしものときに備えてタンス預金をしていたものの、防犯面から口座に入金しなおすケースがあります。自分の口座に入れる分には問題ありませんが、自分以外の家族の口座に入れるときは、課税対象になる可能性があるため注意が必要です。   今回は、タンス預金を他人名義の口座に入れると課税される理由や、税金申告をしないまま放置しているとどうなるかなどについてご紹介します。

タンス預金を自分以外の口座に入れると課税される可能性がある

基本的に、税務署に指摘される可能性があるのは未申告の税金です。税金申告をしているのなら、タンス預金を行っていても問題ないでしょう。
 
ただし、自分で貯めたタンス預金を夫や子どもの口座に入金すると、贈与とみなされて税金がかかる可能性があります。民法第549条では「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」と定められているためです。
 
妻が自分で貯めたお金を夫の口座に入金した場合、「妻は夫に対してタンス預金を渡す贈与契約をした」と判断されるケースがあります。贈与と判断されると、夫へ入金した金額に応じた税額が課されるでしょう。
 
ただし、贈与税は110万円が年間の基礎控除額のため110万円までは課税されません。もし、夫の口座へ入金したいときは、110万円以内にしておきましょう。
 

口座へ入れたお金にかかる税額の例

以下の条件で税金が課されたときの金額を求めましょう。

・夫の口座へ自分のタンス預金を300万円入金
 
・同じ年にタンス預金以外の財産は譲渡されていない

まず、基礎控除額を300万円から差し引いた190万円が課税対象です。国税庁によれば、課税価格が190万円だと税率は10%となるため、19万円の贈与税がかかります。
 
贈与税は受け取った側が支払うため、夫の口座に入金したときは贈与税の支払いも夫となります。もし、妻が贈与税を支払うと「贈与税分のお金を贈与した」と判断される可能性があります。
 

申告をしないままでいるとどうなる?

申告をしないままでいると、贈与税のほかに延滞税や加算税も追加される可能性があります。
 
延滞税は、納付期限までに税金を納付できなかったときに課される税金です。国税庁によると、令和4年1月1日から令和7年12月31日までの期間において、納期限までの期間および納期限の翌日から2ヶ月までは税率は年2.4%、納期限の翌日から2ヶ月を超えた分に対しては税率は年8.7%と定められており、遅れた日数に応じて税額も増えていきます。
 
一方、加算税は申告した税額に問題がある、あるいは無申告だったときなどに課される税金です。財務省は加算税を「申告納税制度の定着と発展を図るため、申告義務が適正に履行されない場合に課されるもので、一種の行政制裁的な性格を有する」と説明しています。つまり、加算税は税金を正しく申告しなかったときに課されるペナルティーともいえるでしょう。
 
加算税は以下の4種類です。

・無申告加算税:税金の申告をしていなかった
 
・過少申告加算税:申告した税額が本来よりも少なく、納付期限後に修正申告や更正をした(税務署から指摘される前に自主的に修正申告をした場合は課されないときがある)
 
・不納付加算税:源泉徴収などによる国税について、法定納付期限後に納付・納税の告知があった(事業主が該当)
 
・重加算税:意図的に仮装隠ぺいが行われた

特に、重加算税は悪質な仮装隠ぺい行為などが認められた場合に課される税金で、ほかの加算税よりも税率が高く設定されています。
 
例えば、過少申告加算税は10%(新たに納める税金が50万円か期限内申告税額のいずれか多い金額を超える場合、その超えている部分は15%)ですが、もし、わざと申告せず放置を続けたと判断された場合は、代わりに重加算税が適用され35%です。
 
今回のケースで申告をしないままでいると、夫に対してこうした追加の税金が課される可能性があるため、入金額をおさえたり自分の口座に入れたりした方がよいでしょう。
 

他人名義の口座に移すと贈与税が課される可能性がある

税金申告をしていれば、タンス預金自体は問題ありません。しかし、自分のタンス預金を夫の口座に入金すると、夫に対して贈与税が課される可能性があります。
 
贈与税の課税対象になることを知らないままでいると、延滞税や加算税も加わるケースがあるため、入金した時点で夫に伝えましょう。贈与税を課税されないためには、110万円以内にするか、自身の口座に自分で入金する方法があります。
 

出典

e-Govポータル法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第三編 債権 第二章 契約 第二節 贈与 第五百四十九条(贈与)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.9205 延滞税について
財務省 納税環境整備に関する基本的な資料 加算税の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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