日本の「役員」の「年俸」はいくら? 「社員から役員」になるケースはどれくらい?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月13日 8時50分
会社員として働いていると、役員の給料がどのくらいなのか気になる方もいるでしょう。役員の場合は、年俸制で決まった額が毎月支払われるケースが一般的だとされています。 そこで今回は、役員の年俸や社員から役員になる方法について解説します。役員になるメリット・デメリットもご紹介しているため、参考にしてください。
役員の年俸はどのくらい?
国税庁が公表している「令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」によると、企業規模別の役員の給与は表1の通りです。
表1
資本金 | 給与 | ボーナス | 年俸 |
---|---|---|---|
2000万円未満 | 610万1000円 | 24万3000円 | 634万4000円 |
2000万円以上 | 871万円 | 69万4000円 | 940万4000円 |
5000万円以上 | 1046万5000円 | 101万1000円 | 1147万7000円 |
1億円以上 | 1212万5000円 | 168万4000円 | 1380万9000円 |
10億円以上 | 1637万7000円 | 308万5000円 | 1946万3000円 |
※国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」を基に筆者作成
資本金が多く企業規模が大きい会社ほど、役員の年俸は高い傾向にあります。なお、役員の年俸は役員報酬とも呼ばれます。役員報酬は自由には変更できず、変更するためには必要な手続きを行わなければいけません。
社員から役員になる方法
社員から役員になるには、おもに以下の2つの方法が考えられます。
・現在働いている会社で昇進する
・役員ポジションで転職する
現在働いている会社で役員を目指す場合、順当に昇進していく必要があるでしょう。会社により異なる可能性がありますが、社員、係長、課長、部長、役員(取締役)の順番で昇進していくことが一般的です。さらに、役員にも平取締役、常務取締役、専務取締役などのポジションがあると考えられます。
一般社員から役員になるまでは多くの経験や時間を要する場合があり、会社のなかでも限られた方しか役員になることはできず、確率でいえば1%にも満たないといわれているようです。役員クラスになるためには、会社への実績やマネジメントスキル、経営能力などが総合的に判断されるでしょう。
現在働いている会社で役員のポストが詰まっていたり、会社の事情で役員までの出世が難しかったりする場合は、役員として転職する方法もあります。注意点としては、前職での十分な実績や経験がなければ、未経験で役員への転職は難しい可能性があることです。
しかし、会社の成長過程にあるベンチャー企業であれば、役員クラスのポジションにつけるケースもあるようです。ベンチャー企業の場合は、人材も経験も不足している場合が多いようです。必要なスキルと経験を生かして不足している部分を補てんできれば、役員未経験でも転職できる可能性があるでしょう。
役員になるメリット・デメリット
役員になるメリットとしては、定年制度がないため、年齢に関係なく働けることです。役員は社員を雇用する側のポジションであり、社員ではないため会社が定める定年制度には該当しません。しかし、会社によっては役員の定年制を設けている場合もあるようです。
さらに、役員は意思決定などを行う重要なポジションであるため、責任はともないますが、会社の経営に大きくかかわれる点もメリットといえるでしょう。
デメリットとしては、労働基準法の適用外になったり、各種保険に加入できなくなったりする点です。役員は労働者ではないため、有給休暇や残業などの概念もなくなります。雇用保険や労災保険などにも加入できないため、失業保険や業務中のけがなどによる補償も受けられない点には注意が必要です。
また、会社に不利益があった場合は、責任を負ったり、最悪の場合は株主総会で解任されたりする可能性もあります。会社の重要なポジションで経営に携われる反面、責任の重さも大きい点は認識しておきましょう。
役員の年俸は600〜2000万円程度! 社員から役員になれる確率は低い
役員の年俸(役員報酬)は、会社の規模感によって異なりますが、600〜2000万円程度となっています。
役員になるためには、おもに社員から昇進して役員を目指す方法と、転職をする方法が考えられます。社員から役員を目指す場合は、会社への貢献度や経験、スキルなど総合的に判断されるでしょう。ただし、社員から役員になれる確率は1%にも満たないといわれています。
しかし、ベンチャー企業の場合は、会社に必要なスキルやノウハウがあれば、未経験でも役員ポジションで転職できる可能性があるでしょう。
出典
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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