「接骨院」を営む友人が「ベンツ」を購入したそうです。そんなに「高収入」なのでしょうか？

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月13日 9時10分

ベンツを所有しているのは、高所得者の証と考えている人もいるでしょう。一般的な収入だと思っていた接骨院を営む友人がベンツを購入したと聞くと、驚いてしまう人もいるかもしれません。接骨院の経営は、一般的な企業で働く人と比べ、年収の想像がつきにくい職業です。ベンツを購入できるほど高収入になることもあるのでしょうか？柔道整復師と給与所得者全体の年収を比較してみましょう。

接骨院（整骨院）とは

接骨院とは、国家資格である柔道整復師が開業できる施術所のことです。骨折・脱臼・捻挫などに対し、注射や手術などを行わず、おもに柔道整復術で治療します。

「接骨院」と「整骨院」という名称がありますが、基本的にはどちらも意味は同じさとされています。ただし、「整骨院」は厳密にいうと、法的には認められていない名称です。

2023年2月13日に厚生労働省で行われた「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」では、今後「整骨院」の名称は廃止する方向で検討されています。

接骨院で働く人の年収

実際に、接骨院で働く人はいくらくらいの年収なのでしょうか？以下の表1は、令和5年賃金構造基本統計調査を基に、従業員数10人以上の企業規模の会社に勤務する柔道整復師の年収を年齢別に計算したものです。なお、この数字は柔道整復師だけでなく、はり師・きゅう師やあん摩マッサージ指圧師なども含んだ数字となっています。

表1

きまって支給する現金給与額	年間賞与その他特別給与額	年収
31万8500円	77万600円	459万2600円

※e-Stat政府統計の総合窓口「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成

きまって支給する現金給与額とは、基本給に、残業代や家族手当、通勤手当などを含んだ額で、税金控除前の数字となっています。

国税庁の令和5年分民間給与実態統計調査－調査結果報告－によると、給与所得者全体の平均年収は459万5000円です。柔道整復師の平均年収は459万2600円であり、ほぼ給与所得者全体の平均年収と同じ額となっています。

独立して接骨院を開業した人は高年収を目指せるのか

柔道整復師が独立開業した場合、年収は400万円～800万円ほどともいわれています。開業後、一人で経営するのか従業員を雇用して規模を大きくしていくのかなどの違いから年収や働き方にも違いが出てくるでしょう。

独立開業すると、施術だけでなく経営や集客なども考えなければなりません。例えば、はり師・きゅう師の資格も取得することで、柔道整復師資格だけではできないサービスを取り入れられると考えられます。ニーズに合ったサービスで集客に成功すれば、年収1000万円を狙える可能性もあるでしょう。

車の購入価格は、年収のおよそ半額が目安ともいわれています。1000万円の年収の場合は、ベンツであれば、中古車や500万円程から販売されている新車のAクラスなどが購入できそうです。

接骨院の経営で1000万円以上稼ぐことも不可能ではない

接骨院は基本的に柔道整復師の国家資格を保有する人が経営しています。令和5年賃金構造基本統計調査によると、10人以上の企業規模の会社に勤務する柔道整復師の平均年収は459万2600円で、給与所得者全体の平均年収とほぼ同額です。

しかし、独立開業することでさらなる年収アップを果たす人もいるでしょう。技術だけではなく、ニーズに合ったサービスを取り入れるなど、集客にも力を入れることで高級車であるベンツを購入できるほどの年収を稼げる可能性もあります。