企業年金のもらい忘れが110万人以上もいる? 受け取り忘れによる損失を防ぐ方法とは
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月19日 3時40分
従業員の老後生活に備え、公的年金を補うための費用として、企業年金を導入している会社があります。企業年金は、短期間で退職した方でも受け取れる可能性がありますが、なんらかの事情により請求をしていない方もいるようです。 本記事では、なぜ企業年金のもらい忘れが起きるのか、また受け取り忘れによる損失を防ぐ方法についても解説します。年金の受給開始年齢が近づいている方や、転職歴がある方は、ぜひ参考にしてください。
企業年金とは?
企業年金連合会の「企業年金制度」公式ホームページによると、企業年金とは、従業員の老後の生活を安定させるために、会社負担で公的年金に上乗せする制度のことです。
年金制度は3階建てともいわれており、各階層の内訳は以下の通りです。
・1階部分(基礎年金) :国民年金
・2階部分(被用者保険):厚生年金保険
・3階部分(企業年金) :厚生年金基金、確定給付型企業年金、企業型確定拠出年金
3階部分の企業年金においては、厚生労働大臣による認可や承認を受けて設立した法人(企業年金基金や厚生年金基金)が、資産を管理・運用して年金給付を行います。なお、企業型確定拠出年金の場合は、個人の運用指図による運用収益と、掛金の合計額が給付されます。
また、企業年金は、長年勤めていた従業員だけがもらえる仕組みではありません。厚生年金基金のある企業に以前勤めていた方は、例え1ヶ月など短い期間であっても、老齢厚生年金の支給開始年齢(原則65歳)から企業年金が受け取れます。
企業年金の受け取り忘れ、一番の原因は「請求書未達」
同ホームページによると、企業年金を受け取り忘れている人は、令和6年3月末までに113万8000人いるとのことです。
なかでも、裁定請求書が届いていない方(請求書不達者)の割合は、半数以上となっています。裁定請求書とは、年金や一時金の請求権を持つ方に送付されるものです。本来であれば、裁定請求書は、年金受給開始年齢に到達する月の始めに届きます。
請求書が届かない原因として、請求書を発行する企業年金連合会が、転居、姓の変更、受給者の死亡などを把握できていないことが挙げられます。
また、裁定請求書が届いているにもかかわらず、請求していない方も少なくありません。制度の複雑さや、退職から時間が経っているため企業年金に加入していたか分からなくなってしまうことが原因のようです。
請求書が届かない、また、届いているけれど請求していない場合は、もらえるはずの企業年金が受け取れなくなるため注意しましょう。
受け取り忘れによる損失を防ぐ方法
自分が企業年金をもらい忘れていないか確認したい場合は、まず「企業年金」もしくは「確定企業拠出年金」があったかを確認しましょう。曖昧な場合には、会社に問い合わせることで確実な答えが得られます。
もし企業年金の制度があった場合は、受け取れる可能性が高いため、企業年金連合会へ問い合わせたり、年金の記録をインターネットで確認したりしましょう。
もし退職後に企業が倒産している場合でも、企業年金連合会に記録があるため、年金は受け取れます。また、支給開始年齢時に働いている場合でも、受け取ることが可能です。
過去に転職歴がある方や、住所や姓が変わった方など、お心当たりのある方は受け取り忘れがないか確認することをおすすめします。
企業年金のもらい忘れを防ぐ方法は、会社や企業年金連合会への問い合わせと確実な請求
短い期間(1ヶ月以上)でも会社に勤めていれば、年金受給開始年齢から企業年金が受け取れます。しかし、請求書が届いていない、請求書が届いていても記入と返送をしていないといった理由で受け取れない方もいます。
請求を忘れてしまうと、本当は受け取れたはずの、公的年金の上乗せ分がもらえなくなってしまいます。もらい忘れを防ぐためにも、過去に転職歴がある方や、受給開始前だが請求書が届いていない方は確認してみましょう。
出典
企業年金連合会 連合会年金の未請求者の状況について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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