祖父と父から「税金対策」と、100万円ずつ贈与を受けました。1人からの金額が「110万円以下」なら、申告は不要ですよね?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月20日 4時20分
贈与は金額次第で贈与税がかかるため、内容についてしっかり理解していないと、後から大きな問題やトラブルにつながる可能性があります。 税金対策の1つとして、贈与税の基礎控除額110万円以内の金額を贈与する方法がありますが、父と祖父それぞれから100万円の贈与を受けても贈与税はかからないのでしょうか。 本記事では贈与税の仕組みや、父と祖父それぞれから贈与を受けても贈与税がかからないかなどを解説します。
父と祖父それぞれから100万円をもらうのは贈与税の対象になる
結論からいうと、父と祖父それぞれから100万円をもらうと贈与税の対象になるため、贈与税の申告をして納税する必要があります。
贈与税の計算は、一般的に1月1日から12月31日までの1年間でもらった財産を合計しておこないので、1人から贈与されても複数人から贈与されても、全体での合計額が計算の対象です。そのため、父と祖父それぞれから100万円を贈与された場合、100万円+100万円=200万円が計算の対象になります。
贈与税の基礎控除額は110万円なので、年間200万円の贈与を受けた場合は、贈与額200万円-基礎控除額110万円=90万円が贈与税の対象です。
ほかに、贈与税の対象は1年間に贈与によってもらった財産の価額なので、腕時計や金などの資産価値があるものも対象になる点に注意が必要です。現金以外も贈与税の対象になることを頭に入れて、1年間で受け取った財産の合計額を把握しておきましょう。
合計で200万円の贈与を受けた場合の贈与税はどれくらい?
合計で200万円の贈与を受けた場合の贈与税ですが、今回のケースでは「特例贈与財産」として、「特例税率」が適用されます。
特例税率とは、18歳以上の人物が直系尊属(両親や祖父母)から贈与を受けたときに、一部優遇される税率です。特例税率が適用されない「一般贈与財産」には「一般税率」が適用されます。
それぞれの税率の速算表は国税庁より公開されています。基礎控除後の課税価格によって贈与税率と控除額が決まります。例えば、基礎控除後の課税価格が200万円以下では一般税率、特例税率ともに税率10%で控除額0円です。
しかし、基礎控除後の課税価格が400万円以下になると一般税率は20%で控除額は25万円、特例税率は15%で控除額は10万円になります。今回のケースのように父と祖父から100万円ずつ合計200万円の贈与を受けたとすれば、計算式は以下のとおりです。
(贈与合計額200万円-基礎控除額110万円)×10%=9万円
今回のケースでは全部で9万円の贈与税が発生するため、忘れずに申告して納税してください。贈与税の申告は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までにおこないます。
提出期限に遅れて申告と納税をすると、原則として加算税と延滞税がかかるので期限に遅れないようにしましょう。
ほかの特例制度を活用して贈与を受ける
ほかの特例制度を活用すれば、基礎控除額を超えた贈与を受けても贈与税がかからないかもしれません。ただし、贈与税の特例については一定の条件を満たす必要があるため、全てのケースで非課税にはならないので確認が大切です。
例えば、扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産、直系尊属からの住宅取得資金、直系尊属から一括で受けた教育資金、直系尊属から一括で受けた結婚や子育て資金などが挙げられます。
具体的な要件については特例内容によって異なるため、実際に活用する前に確認してください。
まとめ
贈与税は、1月1日から12月31日までに取得した財産の合計が対象なので、父と祖父それぞれから100万円をもらうと合計額200万円になり、贈与税が発生します。1人からもらった贈与額ではない点を注意しておかなければ、贈与税の申告漏れをするリスクが高くなります。
贈与税がかからない特例も存在しているため、贈与側と贈与を受ける側で話し合いをして贈与をおこなうことが大切です。
出典
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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