定年後も働く予定ですが、友人は「月5万円くらい稼げればよい」と言っています。年金と合わせれば十分に生活していけるものなのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月20日 6時0分
定年退職後も再就職や再雇用で仕事を続けたいと考える方もいるでしょう。老後の仕事内容や収入には個人差がありますが、友人が「5万円くらい稼げればよい」と言っている場合、年金と合わせて十分に生活していけるものなのか疑問に思うかもしれません。 そこで今回は、老後にかかるお金から、定年後にいくらくらい稼げば十分に生活していけるかについて調べてみました。友人が「月5万円くらい稼げればよい」理由についても考えてみましたので、参考にしてください。
老後は月5万円と年金で生活できる?
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の無職世帯では、単身者で月に3万768円、夫婦のみの世帯で月に3万7916円の不足が生じるとのことです。毎月3万円~4万円程度の不足分を補うために、定年後も仕事をして5万円くらいの収入があれば、収支をプラスにできるかもしれません。
しかし同調査はあくまでも平均的な数値であり、実際はさらに支出が増えることも考えられます。例えば「住居」の支出は単身者で1万2564円、夫婦のみの世帯で1万6827円としています。
持ち家であれば、維持費でこの程度の出費があるかもしれませんが、賃貸暮らしの場合はこの金額を上回るケースが多いでしょう。月5万円くらい稼いだとしても、毎月の収支はギリギリかマイナスになる可能性が考えられます。
また年金の支給額についても、現役時代の収入などによって個人差がある点にも注意が必要です。自身の年金支給額についても確認しておくとよいでしょう。
友人が「月5万円くらい稼げればよい」のはなぜ?
友人が「月5万円くらい稼げればよい」と言っている場合は、以下のような理由が考えられます。
・十分な貯蓄がある
定年後もゆとりのある暮らしができるほど十分な貯蓄があるのかもしれません。老後も仕事をする理由は、生活費の不足分をまかなうためだけでなく、健康維持や社会とのつながりを保ちたいなど、人によってさまざまです。
・年金の支給額が平均よりも多い
現役時代の年収が多くて加入期間が長かった、または夫婦共働きだったなどの理由で、平均的な年金の支給額よりも多いのかもしれません。
・節約家で生活費がそれほどかからない
節約を心がけていたり、必要最低限のもので暮らすライフスタイルだったりすると、平均と比較して生活費がそれほどかからない可能性もあります。
・年金とは別に不労所得がある
株式投資による配当金・家賃収入・動画やウェブサイトによる広告収入など、年金以外にも不労所得がある人もいます。
老後は急な出費も考えて余裕ある資金を用意しておくと安心
友人に合わせて「自分も月5万円くらい稼げればよい」と安易に考える場合は注意が必要です。老後にかかるお金は人によって異なりますから、自身のケースでしっかりとシミュレーションしておく必要があります。老後の急な出費には以下のようなものが考えられます。
●けがや病気による医療費
●孫にかかる出費
●家のリフォーム費用
●家具の買い替え
●旅行などセカンドライフを楽しむための出費
これらを踏まえて、急な出費にも対応できるよう余裕ある資金を用意しておく、または定年後も仕事で十分な収入を得られれば安心です。
老後生活は月5万円くらいの稼ぎで生活できる可能性もあり! 自身の収支を把握して余裕ある計画を
老後生活の平均的な収支では、3万円~4万円ほどの不足分が生じるといわれているため、定年後も仕事を続ける場合は月5万円くらい稼げれば十分に生活していける可能性があります。しかし賃貸暮らしの場合や年金の支給額によっては、月5万円ではギリギリ、または不足が生じるかもしれません。
「月5万円くらい稼げればよい」としている友人は「十分な貯蓄がある」「年金の支給額が平均よりも多い」「節約家で生活費がそれほどかからない」「年金とは別に不労所得がある」などの理由が考えられます。
老後生活ではけがや病気による医療費、孫にかかる出費、家のリフォーム費用など、急な出費が発生することもあります。友人に合わせて「自分も5万円くらい稼げればよい」と考えるのではなく、自身の収支を把握して、余裕ある計画を立てる必要があるでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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