「青春18きっぷ」と「北海道＆東日本パス」はどっちがお得？雪国旅行なら7日使えるほうがお得？それぞれを比較

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月21日 4時30分

日本の鉄道旅を語る上で欠かせない「青春18きっぷ」と「北海道＆東日本パス」。どちらも人気のきっぷですが、それぞれに特徴があり、使い方次第でお得度が大きく変わります。特に雪国旅行を計画するなら、どちらを選ぶべきか迷う人も多いはずです。青春18きっぷの変更点や北海道＆東日本パスの利便性を踏まえ、利用条件や価格、使い勝手を比較し、それぞれの魅力やお得さを解説します。なお2024年冬シーズンの青春18きっぷと北海道＆東日本パスは次の通り販売されています。・青春18きっぷ（3日間用）発売期間：2024年11月26日～2025年1月8日、利用期間：2024年12月10日～2025年1月10日・青春18きっぷ（5日間用）発売期間：2024年11月26日～2025年1月6日、利用期間：2024年12月10日～2025年1月10日・北海道＆東日本パス発売期間：2024年11月26日～2025年1月4日、利用期間：2024年12月10日～2025年1月10日

青春18きっぷ改悪で北海道＆東日本パスの優位性が増した

青春18きっぷと北海道＆東日本パスには、それぞれ利用範囲や価格に違いがあります。青春18きっぷは全国のJR線が対象で、料金は5日間用が1万2050円、3日間用が1万円です。

一方、北海道＆東日本パスは利用できるエリアが北海道や東日本に限られます。価格は7日間で1万1330円と青春18きっぷより割安です。そのため、利用エリアを北海道や東日本に限定する場合には、青春18きっぷの優位性がなくなり、北海道＆東日本パスのほうがお得に使えます。

以前の青春18きっぷは、複数人で使ったり、連続しない日程にも利用できたため、グループで旅行する場合や飛び飛びの休みに使う場合には、青春18きっぷのほうが使い勝手が良い面がありました。

しかし、2024年冬シーズンの改訂により利用条件が変更され、単独かつ連続した5日間でしか使えなくなり、利便性が大きく低下しています。この改悪の結果として、北海道＆東日本パスの優位性がさらに際立つ形となったのです。

北海道に行きやすいのは北海道＆東日本パス

関東や東北から北海道への移動を検討している場合、北海道＆東日本パスのほうが圧倒的に優位です。このパスでは、IGRいわて銀河鉄道線と青い森鉄道線を使って盛岡から八戸まで移動可能だからです。

一方、青春18きっぷでは青い森鉄道線の一部区間（青森～野辺地～八戸間の相互発着）が使えるものの、IGRいわて銀河鉄道線は利用できません。そのため、新青森に行くには秋田経由の大回りが必要です。

さらに、本州と北海道を結ぶ青函トンネルは在来線が通っておらず、別料金が必要ですが、ここでも両きっぷに違いがあります。

・北海道＆東日本パス:特定特急券（4000円）を購入すれば、新函館北斗～新青森間で北海道新幹線普通車の空いている席（立席）を利用可能

・青春18きっぷ:北海道新幹線オプション券（4500円）を購入することで、新青森～木古内間の新幹線普通車（空席利用）と、道南いさりび鉄道線（木古内～五稜郭）を連続利用可能

北海道＆東日本パスでは、4000円で新青森から新函館北斗まで新幹線で乗り通せます。

一方、青春18きっぷの場合は追加料金が4500円と割高なうえ、新幹線は木古内までしか使えません。新函館北斗に行くには、道南いさりび鉄道線で五稜郭まで移動後、さらにJRを使う必要があり、利便性が大きく劣ります。

3日以内の利用なら青春18きっぷのほうがお得

一方で、旅行期間が3日以内であれば、青春18きっぷのほうが割安となる場合があります。

青春18きっぷの3日用は1万円で、1万1330円の北海道＆東日本パスよりも総額では安価です。例えば、飛行機で北海道まで移動し、現地で3日間のみ鉄道を利用する場合などは、青春18きっぷを選ぶことでコストを抑えられます。旅行のスタイルや日程によって使い分けましょう。

東北や北海道への旅行は北海道＆東日本パスがお得

青春18きっぷと北海道＆東日本パスは、それぞれ異なるメリットを持っています。青春18きっぷの強みは全国のJRを利用できる点です。

しかし、旅行先を東北や北海道に限定する場合、その優位性は薄れ、北海道＆東日本パスのほうがお得で便利に使える可能性が高いといえます。旅行の日数や目的地に応じて、自分の旅行プランに合ったきっぷを選び、鉄道旅をより快適に楽しみましょう。