「公務員はホワイト」だそうですが、私のまわりの公務員は「残業があるよ」と言います。実際、どの程度の残業が発生しているのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月20日 22時30分
「公務員はホワイト」といわれることもあるようですが、実際にはどうなのでしょうか。身近に公務員がいる方は、「残業がある」という声を聞くことも少なくないようです。特に国家公務員や地方公務員は多岐にわたる業務を担っており、その負担は業種や勤務地によって異なります。 そこで本記事では、公務員の残業時間の現状やその要因について解説します。また、残業が給与にどう影響しているのかについても見ていきましょう。
公務員の平均残業時間は?
公務員の勤務時間は、原則として1日7時間45分、週38時間45分と定められています。しかし、公務のため臨時または緊急の必要がある場合、超過勤務を命ずることが認められています。ここでは、国家公務員と地方公務員の残業時間を見ていきましょう。
国家公務員の残業時間
令和5年度の「国家公務員給与実態調査」によると、令和4年度の年間平均残業時間は220時間でした。これを月平均に換算すると約18.3時間となりますが、職種の区分によって大きな差があります。以下はその内訳です。
●本府省(中央省庁本庁などの主要組織):年間397時間(月平均約33.1時間)
●本府省以外(地方機関など):年間179時間(月平均約14.9時間)
本府省以外の地方機関では比較的安定した勤務時間となっているようです。一方、本府省の職員は、地方勤務の職員に比べて約2倍の残業時間が発生しています。これは、政策立案や緊急対応が求められる業務の多さが影響していると考えられます。
また、公務員には超過勤務の上限が以下のように規定されていますが、特別な状況ではその限度を超える勤務が認められる場合があります。
●1ヶ月100時間未満
●年720時間以下
●2~6ヶ月間で1ヶ月当たり80時間以下
●月45時間超は6回まで
令和4年度には、この4つの上限のうち、いずれかの上限を超えた職員の割合は16%でした。この割合は組織によって異なり、以下のようになっています。
●本府省:28.5%
●本府省以外:3.3%
地方公務員の残業時間
令和4年度の「地方公共団体の勤務条件等に関する調査」によると、1人当たりの残業時間は月平均12.5時間、年間では149.6時間となっています。この数値は、国家公務員よりも低めであることが分かります。
また、月45時間以上の残業を行った職員の割合は全体で5.4%、その中でも月100時間を超える残業をした職員の割合はわずか0.4%とされています。これらの数値は前年度からやや減少しているものの、一部では依然として長時間労働が発生していることを示しています。
公務員の残業代はどのくらい?
公務員の残業代は、「超過勤務手当」として支給されます。支給額は以下の計算式で算出されます。
残業代の計算式
勤務1時間当たりの給与額×支給割合×超過勤務時間
〈勤務1時間当たりの給与額〉
1時間当たりの給与額は、月給(俸給+地域手当など)をもとに以下の式で算出します。
(月給額×12)÷(週当たりの勤務時間×52週間)
〈支給割合〉
残業時間や勤務条件に応じて、以下の割合が適用されます。
●通常の残業(平日の22時前):1.25倍
●休日勤務(休日の22時前):1.35倍
●深夜残業(22時~翌5時):上記の割合に0.25倍を加算
●月60時間を超える残業:1.5倍(深夜の場合は1.75倍)
このように「超過勤務手当」は基本給に基づいて計算されるため、基本給が高いほど残業代も高くなります。特に国家公務員は地方公務員と比べて基本給が高く長時間の残業が発生しやすいため、手当の額が大きくなる傾向にあります。
ただし、残業時間が多い職員ほど収入は増えますが、働き方としては課題も多く、ワークライフバランスをとるのが難しいケースもあります。
公務員でも残業は発生している
公務員の残業時間は、国家公務員の月平均約18.3時間、地方公務員が約12.5時間で、業務内容や勤務地により大きな差があります。残業代は「超過勤務手当」として支給され、給与体系に基づいて計算されるため、働いた分はきちんと評価される仕組みです。
働き方改革が進む中、職場環境や業務負担は見直されつつあります。公務員を目指すなら、業務内容や職場環境をよく調べておくと、多様な選択肢の中から、自分に合う職場を見つけられるかもしれません。
出典
人事院 令和5年度 年次報告書
総務省 地方公務員における働き方改革に係る状況~令和4年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果の概要~
人事院 国家公務員の諸手当の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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