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定年後は健康保険を「継続」する予定です。妻を扶養に入れるなら「特例退職被保険者制度」もあるようですが、「任意継続被保険者制度」とは何が違うのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月21日 5時20分

定年後は健康保険を「継続」する予定です。妻を扶養に入れるなら「特例退職被保険者制度」もあるようですが、「任意継続被保険者制度」とは何が違うのでしょうか?

退職後に、在職中と同程度の保険給付と健診等の保険事業を受けられて、家族を扶養に入れられる特例退職被保険者制度ですが、扱っている組合が少なくどのような制度か分からないという人も多いのではないでしょうか。   本記事では、特例退職被保険者制度の制度内容や注意点、また任意継続被保険者制度との違いなど、退職後に家族を扶養に入れられる健康保険制度について解説します。

特例退職被保険者制度とは?

特例退職被保険者制度とは、会社の健康保険の被保険者だった人が、退職後から後期高齢者医療制度に加入するまで、在職中の健康保険と同程度の保険給付と保険事業が受けられる健康保険制度です。
 
退職後でも健診や保険給付などを継続して受けることができ、収入が一定未満で被保険者の収入で生計を維持している家族であれば扶養に入れることもできるため、扶養家族がいる人には特にメリットが大きい制度でしょう。
 
特例退職被保険者制度に加入できる要件は組合によって異なりますが、主に次のような項目全てに該当する必要があります。


・会社の健康保険(任意継続被保険者を含む)の被保険者だった人
・被保険者期間が「20年以上」または「40歳以降に10年以上」ある人
・後期高齢者医療制度に該当しない人
・日本国内に住民登録がある人
・老齢厚生年金の受給権がある人

保険料は、本人の収入ではなく現役被保険者の前年度の標準報酬月額によって定められ、事業主負担はなく全額が本人負担です。保険料だけを見ると、任意継続被保険者制度や国民健康保険のほうが安いこともあるため、加入する前に市区町村や組合に確認した上でよく考えて判断しましょう。
 
特例退職被保険者制度に加入する場合は、会社の健康保険の資格喪失日から3ヶ月以内に組合等に必要書類を提出する必要があります。
 
特例退職被保険者制度は、厚生労働大臣の認可を受けた「特定健康保険組合」で扱うことができる制度です。 特定健康保険組合の数は少ないですが、組合に特例退職被保険者制度があれば、扶養する家族がいる人は制度への加入も検討してみるのがおすすめです。
 

任意継続被保険者制度との違い

任意継続被保険者制度は、特例退職被保険者制度と同じく在職中に加入していた健康保険の被保険者になることができる制度です。
 
「資格喪失日の前日までに被保険者期間が継続して2ヶ月以上ある人」であれば加入できるため、最短でも10年以上被保険者期間が必要な特例退職被保険者制度と比べて要件を満たしやすいと言えます。
 
ただし、任意継続被保険者制度は、加入期間が「任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過するまで」で、その後は国民健康保険制度などほかの健康保険に加入する必要があるため注意してください。
 
任意継続被保険者制度の保険料は、「退職時の標準報酬月額」または「健康保険の全被保険者の平均標準報酬月額」のうちいずれか低い額に保険料率を乗じた額で、全額が本人負担となります。
 
任意継続被保険者制度と特例退職被保険者制度のどちらも、保険料は組合によって異なるため、加入前に組合等に確認しておくのがおすすめです。
 
任意継続被保険者制度と特例退職被保険者制度は、退職後に家族を扶養に入れられる制度ですが、それぞれ異なるメリット・デメリットがあるため、制度をよく理解して自分の退職後の状況などを鑑みて選びましょう。
 

まとめ

特例退職被保険者制度とは、任意継続被保険者制度と同じく、在職中の健康保険と同程度の保険給付と保険事業が受けられ、家族も扶養に入れられる健康保険制度です。
 
任意継続被保険者制度は加入期間が最大2年間なのに対して、特例退職被保険者制度では退職後から75歳で後期高齢者医療制度に加入するまでの間は加入できます。
 
特例退職被保険者制度を扱っている組合は少ないですが、扶養する家族がいる人にはメリットも多い制度なので、組合に特例退職被保険者制度がある場合は比較検討してみましょう。
 

出典

厚生労働省 任意継続被保険者制度について
 
執筆者:梅井沙也香
FP2級

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