30代会社員、夜間や土日にスポットワークをしたいのですが、派遣会社の社会保険に入りたくありません。月に何時間まで働けますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月21日 23時0分
会社員のAさんは、家計の足しにと「スポットワーク」を始めました。夜間や土日のスキマ時間に働いているのですが、派遣会社の社会保険には絶対入りたくないそうです。月にいくらまでなら稼げるのか、など社会保険加入の条件を確認しましょう。
スポットワークとは?
働き方は多様化し、副業や兼業している人も多くなっています。スポットワークとは、短時間で単発あるいは短期間のみなど「継続した雇用関係」のない働き方をいいます。
雇用契約の中で、非正規雇用として、有期雇用・契約社員・派遣社員・パートタイマー・アルバイトなどで働く人がいますが、一般的にスポットワークは短期間あるいは短時間で働く人を指します。
通常は会社員であるAさんの社会保険は正社員で働く会社で加入しているため、スポットワークをしている会社でAさんが社会保険加入に該当するかどうかは、要件に該当するかどうかです。
社会保険に加入する要件
社会保険に加入する要件として、適用事業所(法人や従業員が常時5人以上いる個人事業所など)で働く正社員と、短時間労働者の人でも1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、正社員の4分の3以上である人も社会保険に加入します。
また、会社の規模によって、2024年10月からは社会保険に加入している人が51人以上の場合、次に該当する短時間労働者も社会保険に加入します。
• 週の勤務時間が 20時間以上 (残業時間は含まず)。
• 給与が月額 8万8000円以上 (残業代、賞与、通勤手当、 臨時の手当は含まず)
• 2ヶ月を超えて働く予定がある
• 学生ではない(休学中や夜間学生は対象)
Aさんが要件に該当するのか確認する
前段の社会保険加入の要件に該当すると、Aさんが入りたくないといっても社会保険に加入しなければなりません。要件に該当すると2つの会社で加入要件に該当するので、「二以上事業所勤務届」を提出し、それぞれの事業所で受ける報酬月額に基づき案分し、保険料を決定することになります。
しかしながら、Aさんのスポットワークが要件に該当するのでしょうか?
まずは雇用契約書等を確認してみましょう。一定期間を超えて「常用的」に働く人は社会保険に加入します。ただし、次の人は該当しません。
■日々雇い入れられる人・・・ 1ヶ月を超えて引き続き使用されるようになった場合は、その日から被保険者となります
■2ヶ月以内の期間を定めて使用される人・・・当初の雇用期間が2ヶ月以内であっても、当該期間を超えて雇用されることが見込まれる場合は、契約当初から被保険者となります
■所在地が一定しない事業所に使用される人・・・いかなる場合も被保険者となりません
■季節的業務(4ヶ月以内)に使用される人・・・ 継続して4ヶ月を超える予定で使用される場合は、当初から被保険者となります
■臨時的事業の事業所(6ヶ月以内)に使用される人・・・継続して6ヶ月を超える予定で使用される場合は、当初から被保険者となります
さらに常用的に働く人で二以上勤務者として該当するかの判断として、次のような働き方をする人が対象になります。
例1 A社およびB社で法人の代表者
例2 A社で法人の代表者かつB社で正社員として勤務する人
例3 A社およびB社で正社員として勤務する人
例4 A社およびB社で短時間労働者として勤務し、それぞれの会社で加入要件を満たす人
(出典:日本年金機構「被保険者が複数の適用事業所に使用されることになったとき」)
まとめ
働き方が多様化し、副業や兼業する人が増えています。今回ご相談者のAさんは、スポットワークのため、短期間、短時間で働く人です。そのため、会社員をしながらのスポットワークでは、社会保険に加入するまでの働き方ができるか疑問です。
仮にスポットワークでも要件に該当すると、Aさんが入りたくないといっても社会保険に加入しなければなりません。まずは、派遣会社の契約書を見て、社会保険加入の要件に該当するのか確認してみましょう。要件に該当する場合は、労働時間数を減らす契約に変更する必要があるかもしれません。
出典
日本年金機構 適用事業所と被保険者
日本年金機構 被保険者が複数の適用事業所に使用されることになったとき
執筆者:三藤桂子
社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、FP相談ねっと認定FP、公的保険アドバイザー、相続診断士
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