住宅ローンが残り「2000万円」あります。現在は変動金利ですが「0.15%」上がると通知がきました。今からでも「固定金利」に借り換えすべきでしょうか? このまま金利が上がるのかと不安です…
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月28日 5時0分
低金利が続く日本では、金利固定型の住宅ローンよりも金利変動型を選ぶ人が多い状況が続いてきました。しかし、昨今の情勢の変化により、変動金利の利率が上昇した金融機関も多いようです。 固定金利型への借り換えを考える人もいると思いますが、今後の金利動向や毎月の返済額、借り換えの手数料など、さまざまなことを考慮して決める必要があります。 そこで本記事では、変動金利から固定金利に切り替えることを検討するポイントや、実際の返済額のシミュレーションを紹介します。
固定金利と変動金利の金利差はどれくらい?
日本は長くマイナス金利を実施してきましたが、2024年3月にゼロ金利に変更することを決定しました。さらに、7月の金融政策決定会合で、短期金利をこれまでより0.15%引き上げて「0.25%程度」にすることが決まり、9月の会合では、金利上昇は慎重に行うことが決定し、短期金利の水準は据え置きとなりました。
これにより、各金融機関が住宅ローン金利の見直しを発表しました。多くの金融機関では、変動金利の適用金利の見直しが4月と10月の年2回行われます。そのため、住宅ローンを変動金利で借りている人の多くが、2024年の10月から金利の上昇が適用されました。
なお、参考までに現在の固定金利と変動金利の金利を紹介します。各金融機関によって金利は異なりますが、フラット35の35年間固定の金利と、3大メガバンクを含む大手銀行5社の変動金利の適用金利を比べてみます。
・フラット35の固定金利
融資率9割以下の場合、年1.860~3.570%
もっとも適用される人が多い金利は年1.860%(2024年12月現在)
・大手銀行5社の変動金利
3大メガバンクを含む大手銀行5社の変動金利は0.345~0.625%(2024年12月現在)
これを参考にすると、固定金利と変動金利の金利差は1.235~1.515%です。
借り換えのメリット・デメリットとは?
現時点では、変動金利のほうが金利は低く済みそうですが、固定金利に借り換えるメリットとデメリットを確認してみましょう。
借り換えのメリット
変動金利からの借り換えを検討する人がもっとも心配するのは、今後固定金利よりも金利が高くなっていくのではないかという点ではないでしょうか。固定金利に借り換えることで、将来的に金利上昇によって返済額が上昇するリスクを抑えられます。
固定金利であれば、月々の返済額が一定になるため家計が安定しやすくなります。長期的な返済計画を立てやすく、安心感につながります。
借り換えのデメリット
次に、変動金利から固定金利への借り換えのデメリットについて見ていきます。まず、現在の変動金利から固定金利に借り換えることで、金利がこれまでより上がり、月々の返済額が増えます。
そして、借り換え手続きの際は手数料が必要です。借り換えには、金融機関に支払う事務取扱手数料や保証料、抵当権設定登録免許税などがかかります。金融機関や依頼する司法書士によって費用は異なりますが、数十万円かかるのが普通です。
金利が0.6%から1.5%になると返済額はどうなる?
最後に、次の条件で毎月の返済額や総支払額にどのような差が出るかシミュレーションしてみましょう(図表1)。
【条件】
●借入金額(残債):2000万円
●現在の変動金利:0.6%(10年後に1%金利が上がるとする)
●固定金利:1.5%
●返済期間:20年
●返済方法:元利均等返済
【返済シミュレーション】
図表1
変動金利(0.6%→1.6%) | 固定金利(1.5%) | |
---|---|---|
毎月返済額(当初10年間) | 8万8454円 | 9万6509円 |
毎月返済額(10年後以降) | 9万2938円 | 9万6509円 |
総支払額 | 2176万7000円 | 2316万2045円 |
利息分 | 176万7000円 | 316万2045円 |
筆者作成
シミュレーションによると、変動金利から固定金利に借り換えることで毎月の返済額は当初約8000円、総支払額は約140万円増えることが分かりました。ただし、変動金利の利率はいつどれだけ上がるか予測できないため、このシミュレーションよりも上がった場合は結果が逆転する場合もあります。
このほか、借り換えの際の手数料などを含めて、メリットがあるかを検討することが大切です。
まとめ
住宅ローンの変動金利から固定金利への借り換えは、予期せず金利が上がるリスクを避けられますが、毎月の返済額は通常増えます。借り換える金融機関や司法書士によって、借り換えに必要な手数料なども異なるため、焦って借り換えるのではなく、現在の家計の状況や将来の収入見込み、リスク許容度をトータル的に判断することが大切です。
出典
国土交通省 令和5年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書
住宅金融支援機構 最新の金利情報 長期固定金利住宅ローン【フラット35】
執筆者:古澤綾
FP2級
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