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「手取り15万円」で結婚。妻の実家が「心配だから」と毎月20万円を生活費として仕送りしてくれます。「税金は大丈夫」とのことですが、本当に問題ありませんか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月29日 4時30分

「手取り15万円」で結婚。妻の実家が「心配だから」と毎月20万円を生活費として仕送りしてくれます。「税金は大丈夫」とのことですが、本当に問題ありませんか?

家庭によっては、離れて暮らす家族から「仕送り」をもらっていることがあるでしょう。家庭内の収入だけで生活を回すのが難しい場合、仕送りは生活の支えとなります。しかし、一定額以上の金品の授受には贈与税がかかるものです。生活に必要な支援として家族から仕送りを受けている場合でも「贈与」にあたり、贈与税がかかるものなのでしょうか。   本記事では、子どもの世帯が親から「生活費の補填(ほてん)」として仕送りをもらっている場合、贈与税はかかるのか、また、仕送りの取り扱いの注意点について解説していきます。

贈与税の対象となる贈与

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に、110万円を超える財産の贈与があった場合にかかります。現金のみだけでなく、車や時計など高額な金品を贈った場合も、その相当額が贈与税の対象となります。
 
贈与税の納税義務があるのは、贈与を受け取った側です。この贈与は贈与者と受贈者がどのような間柄であっても例外なく成立します。そのため、たとえ親子間の贈与であっても、基準を満たせば納税義務が発生するのです。
 

生活費に贈与税はかかるのか?

年間110万円を超える贈与であっても、贈与の目的によって課税対象とならないケースがあります。国税庁によると「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」は贈与税がかからないと規定されているからです。
 
つまり、今回のように、妻の親からその実子である「妻」に「生活費」として仕送りをしている場合は、贈与税がかからないと解釈できるのです。
 
また、この「生活費」とは、国税庁の規定では、通常の日常生活に必要な費用のことを指します。食費や光熱費はもちろん、病院での治療費や子どもの塾や習い事の費用など、日常生活に必要な費用もこれに含まれます。
 

「仕送り」でも贈与税がかかるケース

「生活費」の目的での仕送りは、贈与税の対象となりません。しかし、子への仕送りが「生活費」以外に消費されている場合は、贈与税がかかることもあります。例えば、預金したり、株式や不動産などの買入資金に充てていたりするケースです。
 
預金に充てるということは、「生活に余裕がある」とみなされ、「仕送りが過剰である」と判断されることもあるでしょう。アパートの家賃は日常生活を営むための必要な費用ではありますが、住宅ローンの支払いは「不動産の買入資金」に該当する可能性が高いです。アパートの家賃でも、あまりにも分不相応な高額な家賃の場合は、贈与税の免除が認められないことも考えられるでしょう。
 
もちろん、家族構成や家庭の事情によって必要な生活費は異なるので、いくらまでの仕送りが妥当な金額かということは明言できません。ただし、「生活費」であっても社会通念上あまりにも「高額すぎる」場合は、「生活費の範囲」を超えていると判断され、110万円を超えた部分に対して課税されることもあり得ます。
 

「生活費」の仕送りは贈与税の対象外。ただし使途に注意

扶養義務者からの「生活費」の仕送りは、基本的に贈与税の対象外となります。ただし、「生活費」として贈与を受けている以上、その目的に沿った使い方をする必要があるでしょう。また、あまりにも高額な仕送りは課税対象となるケースもあります。
 
贈与税がかかるかどうかにかかわらず、子どもを心配して仕送りしてくれる親には、感謝の気持ちを伝えることも忘れないようにしたいものです。
 

出典

国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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