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「ご確認ください」とクレジットカード会社からのメールに、慌てて指定のフォームに情報を入力したら……いきなり不正利用されてしまった! どうしたらいい?

ファイナンシャルフィールド / 2025年1月1日 5時20分

「ご確認ください」とクレジットカード会社からのメールに、慌てて指定のフォームに情報を入力したら……いきなり不正利用されてしまった! どうしたらいい?

社会人2年目のAさんのスマホに、突然、いつも利用しているクレジットカード会社から、「あなたのカードが不正利用されている。取引を確認してください」とメールが入りました。   クレジットカードの不正利用が、まさか自分の身に起こるなんて……と、Aさんは慌てて、メールに表示されていたリンク先にアクセスして、指定された情報を入力しました。

その入力、ちょっと待った! それ、本当に利用している企業からのメール?

Aさんは、指定された手続きどおりに情報を入力して安心していました。すると、その確認をしたクレジットカード会社からSMSが届きました。なんと、「40万円の利用があり、不正利用と思われるので確認してください」というもの。
「え? 確認したばかりなのに!」Aさんは驚きました。
 
実は、先のメールはフィッシング詐欺だったのです。指定されたとおりにカード情報や住所、氏名、電話番号等の個人情報を入れてしまったために、すぐ使われてしまいました。
 
フィッシング詐欺とは、実在する企業や公的機関をかたり、偽メールやSMSを送りつけて偽サイトに誘導して、ID、パスワード、クレジットカード番号等の情報を搾取するものです。
 
「不正利用されています!」「確認しないと利用停止されます」といった“不安”をあおるものや、ポイントを受け取るなど“お得感”で釣るものがあり、慌ててリンク先にアクセスさせます。
 
また、利用していない人に対しても、心当たりがない場合はリンクから連絡するよう不安をあおって促すものがあります。
 

狙われているのはクレジットカードだけではない

狙われているのはクレジットカードだけではありません。インターネットバンキングは、情報を盗み取られてしまうと口座のお金を引き出されてしまいます。
 
図表1


 
図表1のグラフは、インターネットバンキングに関わる不正送金事犯による被害件数と金額ですが、令和5年は11月末で約80億1000万円という、過去最高の被害額となっています。
 
ところで、インターネットバンキングの場合、「ワンタイムパスワード」という最後のとりでを入力しなければ送金できません。「ワンタイムパスワード」は限られた時間で有効のため、時間が経過してしまうと使えなくなるからです。
 
しかし、リアルタイムで行えば、時間内に「ワンタイムパスワード」の情報を入力させることができるので、被害者の口座から送金させることが可能です。
 

利用している企業からのメール? まず疑おう

自分が利用していない企業からのメールが届いても、そもそも届くはずがないので偽メールであることが分かりますが、自分が利用している企業(金融機関や宅配業者)や公的機関からのものは心配になるでしょう。
 
かつてのなりすましメールは、変な日本語であることから、文章を見れば見分けられるケースもありました。ところがここ最近は、ホームページや公式メールの文章をそのまま利用しているようで、うっかりしていると本物と間違えてしまいます。
 
では、どうやって見分けたらよいのでしょうか。
 

【まず、疑うこと】

まず、実際に利用している企業や役所からでも「フィッシングかも」と疑うことです。そして、決してリンクをたどらず、正規サイトのURLやアプリからアクセスして、情報の確認をしましょう。フィッシングメールが出回っている場合は、サイトで注意喚起されます。
 

【アドレスを確認】

また、送信元アドレスが公式とは異なっていること、宛名の表示がないというところでも見分けがつきます。リンク先のアドレスを偽装していても、パソコンならばリンクにカーソルを当てると本当のアドレスが表示されるので、ここでも見分けがつきます。
 

【アクセスしてしまったら】

もし、偽サイトにアクセスしたと気づいたら、ID、パスワード、クレジットカード番号を入力しない、サイト上のアプリをダウンロードしないようにしましょう。
 

【入力してしまったら】

偽サイトに入力した後に気づいたら、即、金融機関に連絡しましょう。パスワードを使い回している場合は、パスワードをすぐに変更しましょう。使い回ししないようにしておくとよいでしょう。
 

【事前にやっておくこと】

事前に、セキュリティーソフトや、通信会社のフィッシング対策を活用するとよいでしょう。
 
フィッシングの手口は、巧妙になってきています。最新の手口は、フィッシング対策協議会ホームページなどを参考にしてください。
 

出典

独立行政法人国民生活センター そのメール、フィッシング詐欺(2024年11月19日公表)
独立行政法人国民生活センター そのURLのクリック、ちょっと待って!―SMSやメールでの“フィッシング詐欺”の相談が依然高水準!―(2023年11月8日公表)
金融庁・警察庁 令和5年12月25日公表 フィッシングによるものとみられるインターネットバンキングに係る 不正送金被害の急増について(注意喚起)
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者

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