スーパーで「キャベツ1玉」が500円もして驚き! 少し前まで「100円」で買えていたのに、冬は収穫の時期で安くなるはずじゃないの? 価格高騰の背景を解説
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月5日 4時30分
寒い冬に食べたい煮込み料理に、ロールキャベツやポトフなどがあります。特に冬キャベツは煮込めば甘みが増して柔らかくなり、旬のこの時期にこそ楽しみたい食材です。しかし旬のはずなのに、その価格が高騰していることに驚いている人もいるのではないでしょうか。 通常であれば、1玉100円前後で購入できることもあるキャベツが、一時は1玉500円近くになっていたこともあるようです。旬の野菜であるにもかかわらず高値で手に入りにくくなっているのは、なぜなのでしょうか? 本記事では、キャベツ価格高騰の背景と、今後の価格動向について解説します。
キャベツ高騰の現状
現在、キャベツの価格が大きく上昇しており、家計への影響が懸念されています。卸値を見ると、2023年12月1日時点でキャベツのキロあたりの価格は86円でしたが、2024年12月2日には189円と、約2倍にまで上昇しました。2024年11月12日には301円を記録しています。
小売価格も同様に上昇傾向にあり、2023年11月の平均価格は1キロあたり221円だったのに、2024年11月中旬には361円と、約60%の値上がりとなっています。
以上はあくまで小売価格のため、店頭価格500円前後で販売されていたケースもあるでしょう。旬である冬キャベツが家庭で気軽に購入できない価格になっている現状は、特に家計を預かる人にとって頭の痛い問題となっています。
キャベツ高騰の気になる原因は? 今後の価格はどうなる?
価格高騰の背景には夏の猛暑がありました。キャベツは生育適温が15~20度と比較的冷涼な気候を好むため、猛暑により生育が遅れたり、出荷可能な品質に達しなかったりしたことで供給量が減少し、価格高騰につながったのです。
しかし、キャベツの価格は2024年11月中旬をピークに、徐々に下がりつつあります。実際、スーパーでその変化を肌で感じている人もいるかもしれません。
日本では、キャベツの生産体制が整備されています。産地を南から北へ、平地から高原へとリレー方式でつなぐことで、年間を通じて安定的に供給できる仕組みが確立されています。そのため、猛暑の影響による一時的な供給の乱れがありましたが、現在は徐々に回復しつつあり、価格も安定に向かっているようです。
ほかの野菜の現状は?
キャベツ以外の野菜についても、価格の高騰が目立っています。2024年12月16日の週における主要野菜の小売価格は、平年比で115%から最大191%の範囲で上昇しており、大根や白菜といった冬野菜にも顕著な値上がりが見られます。
大根と白菜は、それぞれ平年比で184%、185%と2倍近い上昇を記録しています。これらの野菜は鍋料理など冬場の需要が高まっていることに加え、夏の猛暑の影響で生育が遅れたことが価格高騰の原因であると予想されます。
一方で、レタスも226%と大幅な上昇を見せており、気候の影響を大きく受けた品目の1つです。これに比べて、玉ねぎは平年比115%と比較的落ち着いた価格ですが、それでも例年よりは高値で推移しています。
このように、キャベツ以外の野菜でも供給量の減少や季節需要の影響による価格上昇が確認されており、家計には負担が大きい状況が続いています。
まとめ
今が旬なはずのキャベツの高騰の背景には、夏の猛暑の影響がありました。一方で、日本ではキャベツの生産が確立されているため、供給が乱れたとしても徐々にカバーできる体制が整えられていることも分かりました。
そのため、甘みが増しておいしい冬キャベツが手頃な価格で楽しめる日は、もうすぐ訪れるかもしれません。家庭の食卓に冬の味覚を再び取り入れることができる日を期待しましょう。
出典
農林水産省 青果物卸売市場調査(日別調査)
農林水産省 食品価格動向調査(野菜)
独立行政法人農畜産業振興機構 キャベツの需給動向調査情報部
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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