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年収が増えても手取りが増えない?年収「1000万以上」にしか分からない高所得者の悩みとは

ファイナンシャルフィールド / 2025年1月9日 10時20分

年収が増えても手取りが増えない?年収「1000万以上」にしか分からない高所得者の悩みとは

年収が増えると、手取りもいっしょに増えると考える人がいるかもしれません。しかし実際には年収が高くなっても、手取りが増えないといった悩みを抱えることがあるようです。   特に年収が1000万円を超えるとこのような悩みにつながるケースがあるようで、なぜ手取りが増えないのかが気になる人もいるでしょう。   今回は年収が増えても手取りが増えないとされる理由をまとめましたので、同じような悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。

年収が増えても手取りが増えにくいのはなぜ?

年収が増えても手取りが増えにくいのには、以下の2つの理由が関係するとされています。

●累進課税制度の影響
●公的補助の減少

上記の内容について、詳しく見ていきましょう。
 

累進課税制度の影響

累進課税制度とは、所得税などの課税対象額が高くなるにつれ税率も上がる仕組みを指すものです。所得税は一律の税率が定められているわけではなく、課税される所得金額に応じて税率が変動する仕組みとなっています。全7段階に分類されており、金額と税率は表1の通りです。
 
表1

課税される所得金額 税率 控除額
1000円から194万9000円まで 5% 0円
195万円から329万9000円まで 10% 9万7500円
330万円から694万9000円まで 20% 42万7500円
695万円から899万9000円まで 23% 63万6000円
900万円から1799万9000円まで 33% 153万6000円
1800万円から3999万9000円まで 40% 279万6000円
4000万円以上 45% 479万6000円

※国税庁「No.2260 所得税の税率」を基に筆者作成
 
例えば所得500万円と所得1000万円で比較した場合、500万円の場合は税率が20%、控除額が42万7500円となります。課税されるのは控除後の金額となるため、所得税の金額は91万4500円です。
 
対して1000万円の場合は税率が33%、控除額が153万6000円となり、所得税の金額は279万3120円発生します。
 
これらを差し引くと500万円の手取りは408万5500円、1000万円の場合は723万6880円です。差額は315万1380円となり、年収が高くなるほど、手取りが増えにくいと感じることがあるでしょう。
 

公的補助の減少

年収が高くなると、受けられる公的補助が少なくなってしまう可能性があります。公的補助が受けられなくなった場合は自身の収入で補う必要があるため、結果として手取りが少なくなってしまったと感じることもあるでしょう。
 
例えば「高等学校等就学支援金制度」は、世帯年収約910万円未満世帯の生徒が対象になります。そのため、仮に年収が1000万円を超えている場合は、要件を満たさない可能性が高いでしょう。
 
また、高額療養費制度についても、年収によって自己負担限度額が異なります。こちらも年収が高くなるにつれて自己負担限度額が上がるため、収入が多い人ほど公的補助は減少してしまうと考えられるでしょう。
 

年収が1000万円を超えると所得税率が増えたり公的補助が減少したりして手取りが増えないと感じる可能性がある

収入が増えて所得が900万円を超えると、33%の税率が発生します。これまでの所得にかかっていた税率より上がると、手取りが増えないと感じてしまう可能性があるでしょう。
 
また、年収によっては受けられなくなってしまう公的補助もあるようです。仮にそれまで公的補助を活用していた場合、自身の収入で賄う必要が生まれると、手取りが減少したと感じるかもしれません。
 
このような要因が関係し、年収が1000万円を超えると、手取りが増えないと感じる可能性があると考えられます。
 

出典

国税庁 No.2260 所得税の税率
金融広報中央委員会 知るぽると 公的医療保険の「高額療養費制度」って何?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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