「うちは教育費のためにお金を使い切って貯金はない」という両親。50代になった今からでも老後資金は作れるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月11日 23時30分
子どもが独り立ちして家庭を持つまで収入と貯金でやりくりをしていた場合、50代には貯金がほとんどなくなってしまったという家庭もあるでしょう。老後の生活は年金だけでは苦しくなる可能性があるので、できるときから資金作りをすることが重要です。 今回は、50代で貯金がない方の割合や、老後の資金作りのコツ、親への支援方法などについてご紹介します。
50代で貯金がほぼない人はどれくらいいる?
金融広報中央委員会が運営する知るぽるとの「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、50代の2人以上世帯における金融資産保有額の平均値は1147万円、中央値は300万円でした。
平均値や中央値を見ると、少なからず貯金しているように思えます。しかし、50代の金融資産の保有割合で最も多かったのは「金融資産非保有」で27.4%でした。2番目に多い「3000万円以上」が11.2%なので、15%以上多い結果です。このことから、50代の資産保有額が多い方と持っていない方の差が大きいと考えられます。
結果からも分かるように、平均値が大きいだけで50代で貯金があまりない方は少なからずいるでしょう。しかし、老後の生活も考えるのであれば、子育てが落ち着いてからでも資金作りを始めることがおすすめです。
老後の資金作りはできるときにしておいた方がよい
老後の資金作りは、できるときからでもしておきましょう。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では年金やそのほかの収入に対して毎月の支出は3万7916円多く、1ヶ月の収支は赤字になるという結果でした。不足分は貯金から補うため、老後の資金がなければ生活に苦労する可能性があります。
50代からでも始められる資金作りをするために、まずいくらくらい貯めたいかを算出しましょう。老後の生活費と現在の収入、退職金でもらえる金額を加味して、病気やけがが起こったときも対応できる程度の金額がおすすめです。
ある程度目標額を決めたら、固定費を節約したり無駄な買い物を減らしたりして、支出をおさえましょう。減らせた金額分は貯金に回せます。また、定期預金を活用して毎月同じ金額を別口座に貯金しておけば、目標金額まで継続して貯めやすくなるでしょう。
親を支援する方法
親が定年退職も近づくなかで貯金がない場合、家庭によっては子どもが支援するケースもあります。子どもが親を支援するときは、子どもの家庭状況に応じて金銭的支援をするのか、制度の利用をするのか決めましょう。
経済的に余裕があるなら、遠方に住んでいる親には仕送り、家が近い場合は同居することも方法のひとつです。同居する場合は、家族にも同意を得ておくと同居後のトラブルを防げます。
金銭的に余裕がないときは、制度の利用もおすすめです。例えば、親が入院したときは、高額療養費制度により上限を超えた分のお金は払い戻ししてもらえます。
また、各種介護支援制度も利用できないか調べましょう。制度を利用すると、子どもの金銭的負担もかからないため、親も頼りやすくなる可能性があります。
できるときに始めておけば老後の生活に向けた貯金はできる
金融広報中央委員会のデータによると、50代の平均金融資産保有額は1147万円ある一方で、金融資産を持っていない方も約27%いました。50代で貯金があまりない方は少なからずいます。特別珍しいわけでもないので、悲観せずにできることから資金作りを始めましょう。
親が取れる方法は、まず固定費や無駄な出費の見直しです。支出を減らせられれば、その分老後のための貯金に回せます。また、節約とは別に定期預金で毎月貯金しておくと、目標額まで忘れずに貯金を続けられるでしょう。
親が金銭的に困っているときは、子どもに余裕があれば経済的な支援を行うことも検討します。ただし、無理に親へお金を送ると子どもの家庭に影響が出る可能性もあるので、できる範囲の支援をしましょう。
必要に応じて、制度が利用できないか調べておくことも大切です。
出典
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降) 各種分類別データ(令和5年) 統計表の番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2023年-(18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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