多趣味な妻は手取り月23万円のうち“娯楽費”として「4万円」ほど使っています。定年しているので出費が痛いのですが、ほかの家庭もそうなのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月12日 4時0分
収入が減ってしまう定年後の生活では、出費のコントロールが不可欠です。定年前と同じペースで出費をしていると、家計収支はマイナスになって貯蓄を減らしてしまうことにもなりかねません。しかし中には、多趣味な妻が手取り月23万円のうち娯楽費として4万円ほど使ってしまうため、出費が痛いと感じる家庭もあるようです。 そこで今回は、一般的な定年後の家計収支から、手取り月23万円の世帯で「娯楽費4万円」は高いかについて調べてみました。定年後の家計管理を行う際のポイントもご紹介しますので参考にしてください。
手取り月23万円で娯楽費4万円は高い? 一般的な定年後の家計収支と比較
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における「教養娯楽」の1ヶ月の支出は2万4690円です。多趣味な妻が娯楽費として月4万円ほど使っているとすれば、平均よりも出費は高いといえるでしょう。
定年後は収入が減ってしまうケースがほとんどであると考えられます。税金や社会保険料を引いた後の可処分所得の平均は21万3042円です。手取り月23万円の場合は平均よりも家計に1万6958円の余裕が生まれるので、娯楽費に4万円ほど使っても大丈夫だと考える人もいるかもしれません。
とはいえ消費支出の平均は25万959円で、一般的な世帯では家計収支が3万7916円の赤字になっている点に注意が必要です。赤字を減らしたければ、そのほかの支出項目についても見直して、娯楽費を始め節約できる所はないか検討する必要があるでしょう。
娯楽費の出費が痛い!? 定年後の家計管理を見直す際のポイント
一般的な家計収支と比較した際に、娯楽費4万円の出費が痛いと感じる場合は、家計管理の早期見直しが必要です。定年後の家計管理を見直す際のポイントとして、以下の2つが挙げられます。
貯蓄残高をチェックしたうえで毎月貯金から取り崩せる予算を決めておく
定年後の生活で生じる赤字は、貯蓄を取り崩して賄うことになるでしょう。準備した老後資金は各家庭によって金額が異なりますが、無限にあるわけではないため、残高をチェックしたうえで毎月いくらまで取り崩せるか予算を決めます。
予算に応じて支出の調整が必要になる場合も考えられます。多趣味な妻の娯楽費が負担になっていれば、優先順位をつけて取捨選択するよう提案できるかもしれません。固定費を削れないか検討することも効果的でしょう。計画的に家計管理を実行できているか、定期的に残高を確認することも大切です。
臨時的なまとまった出費に備える
普段の生活で家計収支の赤字をおさえられていても、臨時的なまとまった出費が生じる点に注意が必要です。以下のような出費は貯蓄から出すことになるでしょう。
・医療費や介護費
高齢になると病気やけがのリスクが高くなります。介護が必要になれば、自宅か施設かを選び費用を準備しなければなりません。
・家電や車の買い替え
冷蔵庫・洗濯機・エアコンなどの買い替え時期や価格を確認しておくことは大切です。車に何歳まで乗るかも考えて、車にかかる出費をシミュレーションしておきます。
・持ち家のリフォーム
持ち家の場合はリフォームが必要になる時期が来るでしょう。何にいくら必要になるかを予想して、資金を準備しておくことは大切です。
・子どもや孫への援助
子どもが家を購入する際や、孫が進学するときなど、援助をしたいと考える方もいるでしょう。無計画に援助をすると貯蓄が大きく減ってしまったり、タイミングによって援助できる金額に差が出てしまったりするかもしれません。
上記のような臨時的な出費に備えるために、貯蓄のうち手を付けてはいけない金額を決めます。例えば貯蓄額が1000万円あったとしたら、200万円は残しておいて、残りの800万円を毎月少しずつ取り崩す資金にできるでしょう。
定年後の娯楽費4万円は平均よりも高い! 出費が痛ければ家計管理の早期見直しが必要
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における「教養娯楽」の1ヶ月の支出は2万4690円ですから、娯楽費として4万円を使っている場合は平均よりも高いといえるでしょう。可処分所得は21万3042円で、手取り収入が23万円あれば多少の余裕はあると考えるかもしれません。しかし平均的な家計収支には月3万7916円の赤字がある点にも注意が必要です。
定年後の家計管理では、貯蓄残高をチェックしたうえで毎月貯金から取り崩せる予算を決めておく必要があります。娯楽費の出費が家計の負担になっている場合は、趣味の取捨選択をするなど対策をとるとよいでしょう。臨時的なまとまった出費へ備えるために、貯蓄のうち手を付けてはいけない金額を決めることも大切です。
出典
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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