「年収600万円ずつ」40代後半の夫婦です。私たちはいくらくらい「年金」をもらえますか? 教育費のめどがたったので、老後資金についても考えたいです
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月16日 9時0分
40代後半の夫婦からのご質問です。心配していた子どもたちの教育費のめどがたったので、次は老後資金について目安を知っておきたいそうです。「年収600万円ずつ、私たちの年金はいくらくらいでしょうか? 」という疑問にFPが答えます。
月額試算額2人で約33万9400円
会社員の場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計になります。
2024年度の老齢基礎年金の受給額の満額は月額6万8000円、年額では81万6000円です。今回のご相談者の場合は該当しませんが、昭和31年(1956年)4月1日以前生まれの場合、月額6万7808円・年額81万3700円です。
老齢厚生年金は、「会社員の平均年収」と加入月数によって決まります。
現在の年収は600万円ですが、新入社員の頃はもう少し低かったでしょうし、将来はもっと年収が上がる可能性もあるでしょう。したがって、将来の不透明な要素を盛り込むことはできないので、統計数字で仮定しましょう。
ユースフル労働統計2023年によると、大学卒の会社員の生涯年収は男性が2億4740万円、女性が1億9800万円と記されているので、それを仮に勤続年数40として、除して平均年収を夫618万5000円、妻495万円とします。これをベースにして計算した結果が、夫年額約135万6000円(月額約11万3000円)、妻年額約108万5200円(月額約9万400円)です。
老齢基礎年金の月額6万8000円と老齢厚生年金の試算月額約11万3000円を合わせると、夫の月額試算合計約18万1000円、妻は15万8400円となり、2人で約33万9400円です。
以下、もう少し詳しく見ていきましょう。
老齢厚生年金の金額は「平均年収÷12×0.005481×加入月数」で概算
まず老齢基礎年金ですが、こちらは加入月数(年金納付月数)で決まります。満額の場合は月額6万8000円、年額では81万6000円ですが、未納や免除期間があると減額となります。ただ、ご相談者の場合、40代後半ということで受給者となるのはかなり先ですから、その時の国の経済状況によっても左右されることは認識しておきましょう。
一方、老齢厚生年金は、厚生年金の加入月数のほかに「生涯平均年収」が絡んできますので、人によって異なります。先ほどの例では概算として、一般的にいわれている生涯賃金を40年で割って求めましたがこれは仮定です。
実際には、転職をしたり昇進や配置転換があったりして、年収が想定からずれる場合があります。「ねんきんネット」に登録して日本年金機構のホームページからログインすると、毎年の誕生日ごろに更新される情報でより自分の試算額に近い概算がわかります。
勤務先で企業年金に加入している場合はプラスアルファ
そのほかに、勤務先経由で確定拠出企業年金に加入している場合には、この運用益がプラスアルファとして上乗せされます。こちらも定期的に状況確認しておくといいでしょう。
老後資金対策について
この概算額を多いととらえるか、不十分ととらえるかは個人の価値観によって異なりますが、安心した老後生活を送るために蓄えておきたい場合には、以下の方法の中から、無理なく実践できそうなものを検討するとよいでしょう。
1.勤務を継続する
たとえ年収がダウンしても、再雇用や再就職制度を利用して、収入を得るという方法をとっている人も多く見かけるようになりました。生活費や介護が必要になった時のための貯蓄を厚くしておくができますし、勤務を継続することで、次に述べる年金の受け取り開始時期を遅らせれば、将来受け取る年金額を増やすことができます。
2.年金の繰下げ受給をする
年金の受取りは原則65歳からですが、66歳以降に遅らせる「繰下げ受給」を検討することもいいでしょう。1ヶ月受け取りを遅らせることで年金額は0.7%増額。75歳まで繰り下げることで最大で84%(0.7%×12ヶ月×10)年金額が増える計算になります。
以上を踏まえ、ご自身の考えや状況に合った方法を検討しましょう。
出典
労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計2023 生涯賃金
日本年金機構 「ねんきんネット」の利用方法
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者
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