1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

年金ぐらしで定期的な海外旅行はできる?年金制度の基本情報から考える

ファイナンシャルフィールド / 2025年1月18日 4時0分

年金ぐらしで定期的な海外旅行はできる?年金制度の基本情報から考える

「老後2000万円問題」などもあり、老後資金の形成に不安を抱える方は多いでしょう。しかし、実際の老後世帯を観察してみると、意外に豊かな暮らしをしているケースも少なくありません。   そこで、本記事では年金制度の基本情報を解説しつつ、年金暮らしで定期的な海外旅行が可能なのか考察していきます。

年金制度の基本情報

日本にはさまざまな年金制度があり、公的年金と私的年金の2種類に大きく分けられます。公的年金とは国が行う年金制度のことで、代表的なものは国民年金と厚生年金です。
 
国民年金は20歳から60歳未満の全員が加入するもので、保険料は定額です。なお、老齢基礎年金とも呼ばれます。
 
一方の厚生年金は会社員や公務員などが加入するもので、国民年金に上乗せする形で支給されます。保険料は雇い主である事業者と従業員で折半しますが、保険料は所得額に応じて変化するのです。所得額が大きければ納める保険料が増え、将来的に受け取る年金額も多くなります。なお、自営業者は厚生年金に加入できないため、将来的には支給されません。
 
国民年金と厚生年金のどちらも、支払った保険料の金額によって受給できる年金額が異なります。国民年金の差はそこまで大きくありませんが、所得額に左右される厚生年金の場合、受給できる年金額に大きな差が生まれることも少なくありません。老後の年金額に差が生まれている場合は、厚生年金の受給額が要因であるケースが大半です。
 
なお、私的年金とは、公的年金に上乗せする形で企業や個人が任意で加入する年金制度です。企業が設けている年金制度は、厚生年金基金と確定給付企業年金、企業型確定拠出年金の3種類に分かれます。これらの年金制度の設定は企業の判断です。
 
個人で加入できる年金制度にはさまざまな種類がありますが、代表的なものは国民年金基金や通称iDeCoと呼ばれる個人型確定拠出年金です。公的年金のみでは老後資金として不安が残る場合、私的年金の利用を検討しましょう。
 

年金生活で海外旅行は可能?

厚生労働省によると、国民年金の平均受給額は月額5万6428円とされています。満額は令和6年度時点で6万8000円です。
 
厚生年金における平均受給額は、国民年金を含めて月額14万3973円です。夫婦2人分であれば28万7946円になります。
 
総務省統計局が実施した調査によると、65歳以上で無職の2人以上世帯、つまり年金暮らしの夫婦世帯における消費支出の平均は25万2928円とされています。
 
公的年金による28万7946円から支出額の25万2928円を引くと、差額は3万5018円です。あくまで平均値における試算ですが、毎月約3万5000円の黒字になります。
 
仮に全額を貯金した場合、1年間に42万円ほどになる計算です。費用にもよりますが、毎年海外に旅行するのは無理があるといえるでしょう。消費支出は前後する可能性があるうえ、医療費などで突発的な支出が増えるケースも充分に考えられるからです。
 
年金暮らしで毎月海外旅行ができるのは、厚生年金の受給額が平均以上に多いか、公的年金以外に私的年金以外の収入源があったり老後資金の貯蓄があったりする場合が考えられます。
 

年金暮らしで毎年の海外旅行も可能ではある

公的年金による収入状況や支出額が平均的な場合、年金暮らしで毎年海外に旅行するのは無理があるといえます。平均額から収支計算を行うと黒字にはなりますが、海外旅行を安定的に行えるほどの余裕は生まれにくいでしょう。
 
年金暮らしで毎年の海外旅行が可能な場合は、厚生年金を平均額以上に受け取っているか、公的年金以外に私的年金などで収入があったり老後資金として充分な貯蓄があったりする可能性が高いでしょう。もちろん、節約を行うことで支出を減らすことも大切です。
 

出典

厚生労働省 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 P10,19
総務省統計局 家計調査報告 2023年(令和5年)平均結果の概要P17
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください