老後生活に必要な資金はどのくらい?資産形成方法にはどのようなものがあるの?
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月18日 4時10分
「人生100年時代」という言葉が浸透しつつありますが、老後における不安や懸念点は多くの方が持っているでしょう。中でも、老後資金は多くの方が悩む問題のはずです。 本記事では老後に必要な資金額を紹介しつつ、資産形成の方法も合わせて解説します。
老後に必要な資金額
「老後2000万円問題」という言葉が世間を騒がせたこともありましたが、老後資金として必要な金額は人によって異なります。生活における支出額はもちろん、老後の収入、例えば受け取れる年金額などが人によって違うからです。
総務省統計局が行った調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、消費支出額の平均が1ヶ月当たり25万959円とされています。ただし、趣味などを楽しむような「ゆとりある老後生活」を送る場合には、それ以上の支出が見込まれるかもしれません。
老後の収入として多くの方が期待できるのは、国民年金と厚生年金です。厚生労働省によると、令和5年度の国民年金の平均月額は5万7700円とされています。また、厚生年金の平均受給額は国民年金を含めて14万7360円です。つまり、夫婦2人分であればひと月30万円弱となります。
なお、年金の受給額は支払った保険料により異なるうえ、厚生年金を受け取れるのは加入期間が10年以上あることが条件ですので、収入予測を立てる場合は注意してください。
夫婦2人が厚生年金を含めて平均的な年金額を受給できる場合、受給額が平均支出を超えているため、基本的には問題がないように思えます。ただし、月の支出額を平均以下に抑えられる前提です。言及するまでもありませんが、支出額が収入額を超えてしまう場合には、貯蓄などから捻出する必要があります。
厚生年金も含めて平均的な年金収入があり、かつ毎月安定して平均的な支出額以下に抑えられる場合は現在の貯金額でも問題はないでしょう。しかし、老後は医療費が多くかかるケースもあるため、突発的に大きな支出が発生することも想定しておく必要があります。
また、ゆとりある老後生活を送ろうとする場合、上記の試算よりも多くの支出が見込まれるため、これらを考慮するならば現在の貯蓄額では心もとないでしょう。
老後の資産形成方法
続いては、現状の老後資金に不安が残る場合の資産形成方法についてご紹介します。老後資金に不安がある場合は、支出を抑えることはもちろんですが、老後の資産そのものを作る、つまり資産形成も有効な手段といえます。
以下に、老後に向けた資産形成の方法の一例をまとめました。
・普通預金
・定期預金
・債券
・株式投資
・投資信託
・FX
・不動産投資
・NISA
・iDeCo
・保険商品
資産形成を始める年齢や軍資金、本人の向き不向きなどによって取るべき方法は異なりますが、基本的にはリスクを分散する意味でも複数の方法を併用する方が良いとされています。
具体的には、基本的に元本保証がされている普通預金や定期預金などの貯蓄型の資産形成方法と投資型に分類されるその他の資産形成方法の併用です。後者は、元本割れのリスクを否定できないことから、貯蓄型の商品との併用が推奨されています。
また、資産形成を行うには長期的な視点も必要なため、できる限り早めに実践することも大切です。まとまった金額が必要になるタイミングから逆算して、計画的に資産形成をはじめると良いでしょう。
最低限かつ平均的な収支計算であれば問題ない
老後の生活において、毎月の支出を65歳以上の2人以上世帯における平均値に抑えられ、かつ夫婦2人が厚生年金も含めて平均的な年金額を受給できるのであれば、収支計算的には問題がないといえます。
ただし、上記の支出額はあくまで生活における必要最低限のものです。突発的な支出や趣味などに使う費用を考慮する場合、300万円の貯蓄では足りない可能性があります。また、厚生年金の受給条件を満たせず受給できない場合、支出額が収入額を上回るなら貯蓄から捻出する必要があるでしょう。
貯蓄からの捻出額によっては、60代での300万円という貯金額は心もとないと判断せざるを得ないかもしれません。
出典
総務省統計局 家計調査報告 2023年(令和5年)平均結果の概要P17
厚生労働省 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況P8,19
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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