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寝耳に水の人もいるのでは?住宅ローン繰り上げ返済の注意点とは!

ファイナンシャルフィールド / 2019年2月16日 3時0分

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人生において、大きな買い物であるマイホーム。   たとえば35歳で住宅ローンを35年返済で借りた場合、完済するのは70歳です。60代以降も働き続ける高齢者就労が促進されていますが、定年退職により収入が減る前に完済するのが理想です。そのためには繰り上げ返済をしていかなくてはなりません。   35年元利均等返済で借りた4000万円の住宅ローンを返済期間残り25年で300万円を繰り上げ返済すれば、全期間の金利が1%の場合で合計40万円弱の利息の支払いを減らせます(返済額軽減型の繰り上げ返済の場合)。   ライフプラン上メリットがある繰り上げ返済ですが、安易な繰り上げ返済はデメリットを生じさせる可能性がありますので注意してください。  

コストの見落としに注意

住宅ローンの繰り上げ返済には、金融機関に支払う手数料が発生します。
 
インターネット銀行や通常の金融機関でも、オンラインでの手続きであれば繰り上げ返済手数料が無料のケースも多くありますが、窓口での手続きとなると一回あたり5000円~3万円(税別)の手数料が発生します。
 
また、住宅ローン減税の恩恵を受けられる期間に繰り上げ返済をすると、1年あたり繰り上げ返済した金額の0.4%※~1%の税金の控除が受けられなくなります。
 
※平成19~20年に居住を開始した方は15年間住宅ローン減税を受ける選択ができ、その場合11~15年目の控除額は住宅ローン残高の0.4%となります。
 
たとえば、先の例で300万円の繰り上げ返済をすると、0.4%で1万2000円、1%で3万円の減税が対象期間の年数分受けられなくなります(借入金額が住宅ローン減税上限内の場合)。
 
そして、繰り上げ返済をすると、住宅ローン契約の際に別途契約した団体信用生命保険の保障金額も減ります。繰り上げ返済をして手元資金が減るのと同時に死亡保障が減ってしまうデメリットとリスクがあるのです。
 

ガン保障付団体信用生命保険は大切に

ほとんどの民間金融機関の団体信用生命保険は、死亡と高度障害については保険料分としての住宅ローン金利の上乗せがありません。
 
さらに、ガンについても金利の上乗せなしで保障してくれる団体信用生命保険があります。契約者の年齢制限や健康状態の条件はありますが、保険料の負担なしでガンになったら数千万円相当の住宅ローン残高の支払いが免除になります。
 
同じような数千万円の保険金が支払われるガン保険に、保険会社で加入したら、保険料の負担は月数万円以上になってしまいます。
 
もしも契約中の住宅ローンの団体信用生命保険にガン保障が付いていなければ、ガン保障付きの住宅ローンへの借り換えを検討するのも1つの方法です。繰り上げ返済用の資金を借り換え手数料に充てても、別途加入しているガン保険の内容見直しと節約につながれば、ガン保障が手厚くなるうえにガン保険の保険料負担が減ります。
 

フラット35の新3大疾病付機構団信は0.24%金利上乗せ

住宅ローンの団体信用生命保険の保障対象には3大疾病も付けられます。3大疾病とはガン・急性心筋梗塞・脳卒中を指します。
 
フラット35の3大疾病付機構団信を例に保障内容を説明します。
 
以前は急性心筋梗塞・脳卒中については、60日以上所定の障害状態が続いた場合が支払い対象でしたが、2015年10月から治療のために所定の手術を受けた場合も対象となり、支払い要件が緩和されました。さらに2017年10月に新3大疾病付機構団信になり、公的介護保険制度で要介護2以上に認定された場合も対象となりました。
 
金利はプラス0.24%です(死亡保障等の新機構団信分金利の0.2%と合わせると合計0.44%)。3000万円の住宅ローンの場合で月6000円です。民間金融機関の3大疾病保障は保障範囲が違いますが0.2%~0.3%の金利上乗せとなります。
 
民間の生命保険会社で主に3大疾病を支払い対象とした保障は、国内大手生命保険会社の特約等で付けられます。しかし、数千万円の保障金額と10数年以上の住宅ローン返済期間の保険料として考えると、住宅ローンの3大疾病保障付の団体信用生命保険のほうが安くなるケースが多くなります。
 
このように3大疾病保障付団信がある住宅ローンは繰り上げ返済をせずに、生命保険を減額や解約したほうが良い場合があります。
 

住宅ローンの繰り上げ返済後に金利の高いローンを借りないように

住宅ローンは人生でマイホームを購入するときだけ借りられる低金利のローンです。
 
将来の支払い利息を減らすために、繰り上げ返済は有効です。しかし、安易な繰り上げ返済をした結果、手元資金が足りなくなり、住宅ローンよりも金利が高い自動車ローンや教育ローン、キャッシングやクレジットカードのリボ払いといった高金利ローンを借りると、かえって支出が多くなってしまうかもしれません。
 
住宅ローンの繰り上げ返済をするときは、自身のライフプラン上のデメリットがないか、注意深く確認してから実行してください。
 
執筆者:西村和敏(にしむらかずとし)
ファイナンシャルプランナー CFP(R)認定者
 
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