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亡くなった「親の実家」を相続した会社員。放置すると「税金6倍」と聞き解体予定だけど、解体しても「税金が高くなる」って本当? 理由を解説

ファイナンシャルフィールド / 2025年1月19日 2時10分

亡くなった「親の実家」を相続した会社員。放置すると「税金6倍」と聞き解体予定だけど、解体しても「税金が高くなる」って本当? 理由を解説

親が亡くなって実家を相続しても、すでに持ち家があったり、活用する予定がなかったりすると、その実家が空き家になることも多いでしょう。   ただ、空き家を放置すると、税金が6倍になるかもしれないと聞いて、それなら建物を解体しようと考える人もいるのではないでしょうか。しかし、実は解体した場合も税金に影響が出るため、慎重に検討する必要があります。   本記事では、なぜ、空き家になると税金が6倍になる可能性があるのかに加え、空き家を解体した場合にどんな税金がかかるのかを解説します。利用する予定の ない実家を相続した際の活用法なども解説しますので、参考にしてください。

実家を相続するとどんな税金がかかるのか

実家を相続すると、固定資産税や都市計画税を毎年支払わなければなりません。これらの税金は1月1日時点の所有者に課税され、土地と建物それぞれの課税標準額に税率を掛けて税額が算出されます。
 
税率は市区町村ごとに決められ、固定資産税は1.4%が標準、都市計画税は0.3%が上限となっており、多くの自治体がこの税率を採用しています。ちなみに都市計画税は、すでに市街地を形成している区域および今後優先的かつ計画的に市街地化する「市街化区域」内の土地や家屋にのみ課税されます。
 
また、居住用建物の敷地に関しては、「住宅用地の特例」により、課税標準額は200㎡までの部分が6分の1、超えた部分は3分の1に軽減されます。同様に都市計画税の軽減措置も200㎡までの部分は3分の1、超えた部分は3分の2です。住宅である実家は、このような軽減措置が適用された上で課税されています。
 
図表1

図表1

内閣府 政府広報オンライン 空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!
 

空き家になると税金が6倍になると言われるのはなぜか?

実家が空き家になった場合、税金は高くなるのでしょうか? 結論から言えば、空き家になってもすぐに税金が高くなることはありません。ただ、空き家を管理せず放置し続けると、自治体から図表2にある「管理不全空家」や「特定空家」に指定される恐れがあります。
 
図表2

図表2

内閣府 政府広報オンライン 空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!
 
これらは法律で定義されており、「特定空家」に関しては、建物倒壊の危険性など、周辺環境に悪影響を与える恐れがある家屋です。一方で「管理不全空家」は「特定空家」の前段階であり、放置が続くと「特定空家」になるような家屋とされています。
 
いずれも自治体の助言や指導に従わないと、勧告により住宅用地の特例の対象から外れます。つまり「空き家になると税金が6倍になるかもしれない」と言われるのは、特定空家などになると、課税標準額の軽減措置(最大6分の1)が受けられないためです。
 

解体した場合の税金はどうなるのか?

空き家を先に解体してしまえば、特定空家にはならないため、税金の問題は解決すると思う人もいるかもしれません。解体して建物がなくなれば、空き家を管理する手間も不要です。
 
しかし、ここでのポイントは残った土地が住宅用地ではなくなることです。解体して住宅がなくなると、住宅用地のみ適用される「住宅用地の特例」は受けられません。つまり、特定空家などに指定されたのと同様の結果になってしまうのです。
 
建物の固定資産税はなくなりますが、取り壊し前の建物は経年劣化で課税標準額が低くなっていた可能性もあります。もし、実家の築年数がかなり経っている場合は、更地にしたことで結果的に払わなければならない税金が高くなることもあるでしょう。いずれにしても、解体には多額の費用も必要ですので、慎重に検討しなければなりません。
 

空き家になった実家はどうすればいいか?

空き家になったからといって慌てて解体すると、解体費がかかった上に、かえって税金が高くなるかもしれません。では、空き家になった実家はどうすればいいのでしょうか。
 
まず、空き家になっても放置せず、近隣に迷惑がかからない最低限の管理は行うように心がけることが大切です。通常の維持管理をすれば、特定空家などに指定されることはないでしょう。
 
さらに、今後も利用する予定がなければ、売却も検討してみましょう。不動産は所有しているだけで固定資産税などの税金がかかる上、修繕費用なども必要です。
 
もし売却できれば、維持管理の手間やランニングコストの心配はなくなり、現金化できれば親族間での財産分配も可能になります。親族にも相談の上、現実的な1つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
 

まとめ

相続した実家を放置し、特定空家などに指定されると、住宅用地の特例による軽減措置が受けられず、税金が高くなってしまいます。かといって、慌てて空き家を解体しても、土地は住宅用地の特例による軽減措置を受けられず、かえって税金が高くなる恐れがあります。
 
空き家であっても、実家には維持管理の費用や税金などのランニングコストがかかり、遠方であれば管理が難しいかもしれません。まずは、親族や不動産会社にも相談し、売却も視野に入れながら今後の対応を検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

政府広報オンライン 空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!
e-Gov法令検索 空家等対策の推進に関する特別措置法
 
執筆者:松尾知真
FP2級

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