契約している「月極駐車場」に知らない車が…!無断駐車は罰金対象になりますよね?
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月19日 2時10分
自分が契約している駐車場に、ほかの車が無断駐車している場面に遭遇したことがある方もいるかもしれません。今回のケースでは月極駐車場に無断駐車されているようですが、このような場合、「法律違反で罰金対象になるのでは?」と考える人もいます。 本記事では、月極駐車場における無断駐車について、どのような対処をすべきか、どのような行為を避けるべきか解説します。
無断駐車に関して法律上の罰則はある?
車に関連した法律として真っ先に思い浮かぶのは、「道路交通法」かもしれません。道路交通法では駐車に関する規定も定めています。
しかし同法は「公道」に対して適用されるもので、月極駐車場のような「私有地」は基本的に適用対象外です。そのため同法を根拠に、無断駐車したドライバーへの罰則を求めることはできないと考えられます。
駐車場オーナーや管理会社からの罰金はある?
月極駐車場に、「無断駐車は5万円をもらい受けます」などの警告文が記載されているケースがあります。一見すると、これにより無断駐車した場合は罰金を支払わなければならないと感じるかもしれませんが、実際は違うようです。
「罰金」はもともと法律上の「刑罰」のひとつです。個人が勝手に第三者に対して施行するものではないため、月極駐車場の「罰金」に有効性はないと思われます。ちなみに「反則金」は「行政上の制裁金」で、反則者が任意に支払うものです。
そのため、駐車場オーナーや管理会社が独自に定める「罰金」の規定ゆえに、無断駐車したドライバーが罰金を支払ってくれることは期待できないでしょう。
損害賠償を検討することは可能
刑罰や反則金の対象にならないとしても、民法に基づいて損害賠償を検討することはできるかもしれません。例えば民法には以下のような規定があります。
第703条(不当利得の返還義務)
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
第709条(不法行為による損害賠償)
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
とはいえ損害賠償をするとなると、さまざまな準備が必要になると思われます。例えば証拠を残したり、相手への損害賠償通知をしたりなどです。
管理会社や弁護士などに相談しつつ検討できますが、この段階に至るのは無断駐車が何度も繰り返されるような悪質なケースかもしれません。
無断駐車された場合にできること・できないこと
万が一自分が契約しているスペースに無断駐車された場合は、まず冷静になりましょう。困惑したり、腹立たしく感じたりすることもあるかもしれませんが、対応の仕方によっては自身も損失を被ることになりかねません。
対応としてできることと、できないことを、それぞれ解説します。
できること
対応策また再発防止策として、以下のような対処ができます。
●駐車場オーナーや管理会社に連絡して対応してもらう
●無断駐車であることを伝えるために、該当の車にメモなどを残して警告する
●警察に通報する(警察は民事不介入ですが、相手へ注意してくれるかもしれません)
●悪質な場合は損害賠償請求できるか検討する
●誰の駐車場かを明確にする(看板を立てるなど)
●カラーコーンなどの障害物を置く
単なる勘違いで無断駐車している可能性も考えられるため、最初から警察や弁護士を呼ぶより、駐車場オーナーや管理会社に協力を依頼する方がよいかもしれません。
できないこと
無断駐車に腹を立て暴力的な対応をしたり、該当する車を傷つけたりすることは避けましょう。それにより大きなトラブルに発展しかねません。
例えばレッカー車を呼んで撤去したり、車を破壊したり、タイヤロックをかけたりなどの行為が挙げられます。場合によっては相手からの訴えなどに発展するかもしれません。
無断駐車は罰金対象にはならないと考えられる! 適切な対応を
自分が契約している駐車場に無断駐車されると困惑しますが、私有地においては基本的に道路交通法は適用されません。また刑罰である罰金が科せられることもないでしょう。
ただし必要に応じて損害賠償を求めることはできる可能性があります。あるいは駐車場オーナーや管理会社、警察などに相談して事態の収拾をはかることもできます。感情に任せて行動せず、平和的な対応をすることが無難です。
出典
e-Govポータル法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第三編 債権 第四章 不当利得 第七百三条(不当利得の返還義務)、第五章 不法行為 第七百九条(不法行為による損害賠償)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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